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老舗スーパーが参入し“グランピング”業界の牽引役に。カギは「サウナ」と「ペットツーリズム」

日刊SPA! / 2024年9月10日 8時52分

 リゾートマンションや別荘地の分譲および不動産事業から、宿泊事業に乗り出したのは2011年だった。14名のオーナーで別荘をシェアする「プール付ヴィラ」の施設を開業したところ、関西地域を中心に話題となり、会員以外の一般客の宿泊も取れるように変えていったのが今のグランピング事業の原型になっているそうだ。

「2016年ごろに、“グランピング”というキーワードが国内で持ち上げられるようになってきたのが転機でした。我々としてはグランピングの定義を広く捉え、プール付ヴィラも1つのモデルとして事業を考えていました。そんななか、ポーランドのメーカー『Fdomes』のグランピング用テントと出会い、2018年に『グランドーム京都天橋立』をオープンさせたのが、ドーム型テントのグランピングの先駆けになっています」

◆「集客力」と「競争力」のある宿づくり

 また、ドーム型テントは建物を造るよりもコストを安く抑えられることから、いろんな事業者からビジネスの引き合いも来るようになったという。そこで、集客支援やコンサルティングを手がける別会社「ブッキングリゾート」を新規で立ち上げ、グランピング施設の企画から運営、集客までを一貫してプロデュースしていった。

「グランピング施設に特化した予約サイト『リゾートグランピングドットコム』は、年間取扱高が100億円を超えるなど、非常に集客力の高いサイトになっていて、クライアントの施設へ十分な送客ができていると感じています。加えて、企画段階では他社の真似できない“競争力のある施設”を提案しています。事業予算の見積もりが甘い場合は棟数を減らしてでも、チープに見えないクオリティの高い施設になるようなアドバイスを行っているんですね」

◆ホテルと違う“グランピング”なら成立する場所

 このようにリゾート事業に注力した結果、関西エリアのみならず関東圏や各地域の主要観光エリアにグランピング施設を続々とオープンさせていく。事業用地の取得に関しては、「ホテルは成立しないけど、グランピングなら成立する」場所を選定するように意識していると西垣さんは話す。

「当社の運営するアウラテラス茨城やグランドーム千葉富津などは、他の事業者が手を出さない物件を取得して建てた施設なんです。通常のホテルや旅館は、観光需要を捉えるために温泉地や避暑地に宿泊施設を建てます。一方でグランピング施設は若年層のグループ旅行が多く、自由な雰囲気でバーベキューを楽しんだりサウナでのんびりしたりするのが提供価値になっています。なので、グランピング施設は、都心部からアクセスしやすい立地に建てたほうが良いと言えるわけです」

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