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iPhone 16、「値段据え置き」でも“買わない”理由。来春の「廉価モデル」まで待つべきか

日刊SPA! / 2024年9月10日 15時49分

 カメラを向けるだけであらゆる調べ物が可能な「Visual Intelligence」も導入される。昨今盛んにテレビCMが打たれている「Googleレンズ」と同種の機能だが、Appleは「AI用のサーバーに個人情報を保存しない」と宣言し、プライバシー保護によって差別化を図っている。

 ただし、主要なAI新機能をいち早く利用できるのは英語話者だけで、Apple Intelligenceの日本語対応は2025年になるとアナウンスされた。英語版もベータテストの段階なので仕方ないのだが、正直に言って、iPhone 16を発売日に買う喜びは半減だ。

◆やはり拭えぬ“高止まり”感

 機能やデザインをアピールしたいAppleには申し訳ないが、日本の消費者が一番関心を持っているのはやはり、新型iPhoneの価格設定だろう。

 歴史的水準の円安が始まった2022年以来、Apple製品をはじめとする電子機器類は買いにくい状態が続いている。今回も値上げを心配していたAppleユーザーが多いことと思うが、iPhone 16シリーズは、昨年リリースされた15シリーズと変わらない価格となった。PS5など他社製品で値上がりがニュースになっているなか、“お値段据え置き”には安堵の声が聞かれている。

 アメリカ価格で799ドルのiPhone 16(標準モデル)は、日本価格だと税込み124800円となる。これを税抜き価格に直すと113455円で、Appleは1ドル=142円を前提に商売していることがわかる。

 これまでのAppleは、実勢以上の円安を前提にした価格を設定することが多かった。しかし発表時点での為替レート(142円33銭)と比較すると、今回のiPhone 16はわずかながら円高に振った値段であり、日本の消費者にとってはありがたいところだ。

 それでも、12万円オーバーのスマートフォンを“安い”と言うのは難しい。iPhoneには廉価モデルの「iPhone SE」があり、来年春のモデルチェンジが有力視されているため、それを待つという選択も賢明だろう。どうせ「Apple Intelligence」の日本語解禁は来年なのだから。

◆クラウドか、オンデバイスか

 最後に、AppleとAIの“次なる葛藤”を考えて終わりたい。

 クリエイター層への配慮から、これまで生成AIへの言及を避けがちだったAppleも、いよいよAI方面に舵を切った。しかしその先には、またしても難しい分かれ道がある。「クラウドか、オンデバイスか」という二択である。

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