“過保護な親”を持つ女性が全身に刺青を入れたワケ「今でも両親に会うときは長袖長ズボン」
日刊SPA! / 2024年9月13日 8時54分
◆両親から逃げるため、日本の専門学校に進学
心配性で、何事にも介入してくる両親のそうした姿勢が嫌で、かなりの反発心を抱いた学生時代。キヅキさんが高卒後に日本へ渡った根底には、束縛からの解放があったという。
「わりと幼い頃から美容師にはなろうと思っていたんです。でも、『日本の美容学校に通いたい』というのは両親から逃げるための半ば強引なこじつけでした(笑)。私が単身で日本へ行くと言ったとき、両親はかなり強硬な態度になって。結局、寮がある安全な専門学校に入学するなどの条件を落とし所にしました。昔から日本のファッション雑誌などに親しみがあったからか、日本での生活は楽しくて、結果的に現在に至るまで住み着いています(笑)」
ちなみに美容師を志した理由にも、両親が関係するという。
「実は私の両親はほとんど英語が話せないんです。何かの書類が届くと、姉と私が日本語訳をするというのが日常でした。そのためか、美容院へ行ってもうまく自分の希望を伝えられず、いつも不満そうにしていました。日本人の髪質と白人の髪質は違うので、同じようにカットしても仕上がりが結構異なってくるんですよね。日本人はやはり毛量が多く、密度も高いんです。日本の美容師資格を取って、両親の思い通りのヘアスタイルにしてあげたいと思ったのが原点ではあります」
◆両親に会うときは「長袖長ズボン」
専門学校入学のために来た日本で、キヅキさんは自由を謳歌した。両親の庇護下ではできなかったことを次々やり、刺青にたどり着くまでそう時間はかからなかった。驚くべきことに、身体中を覆う刺青について現在も両親には打ち明けていないのだという。
「両親は髪を染めることやピアスですらも、かなり顔をしかめていました。もう成人しているのでこのあたりは『しょうがないな』と思っているでしょうけど。ただ、刺青はもってのほかです。現在、両親は日本にいますが、会うときはすべて長袖長ズボンです。カナダにいたときはそんなことなかったのに、急に寒がりになったと思っているでしょうね(笑)。個人的には、カナダ時代に友人の母親などでがっつり刺青が入っている人もいたので、そこまで抵抗はなかったし、むしろ『将来自分も入れるんだろうな』くらいに思っていました」
◆刺青の絵柄に深い意味があるわけではない
意外なのは、刺青について統一のコンセプトがあるわけではないということだ。
「もちろん、彫師さんの作品を拝見して吟味のうえ依頼はします。ただ、彫っている絵柄そのものについては、深い意味があるわけではありません。意味のあるものを彫って、それが意味を持たなくなってしまったとき、悲しくなってしまうので。一生美容師をやろうと思っているので、右腕にはハサミを彫りましたが、本当にそのくらいですね」
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