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「虎に翼」松山ケンイチが“ラスボス説”の根拠。モデルになった史実の人物は「大掛かりな弾圧」も

日刊SPA! / 2024年9月13日 8時50分

 朝ドラとしては異例の熱狂を生んでいるNHK連続テレビ小説『虎に翼』が、間もなく終焉する。ただし、波瀾万丈の物語だから、すんなりとは終わりそうにない。
 主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)の前にラスボスが現れるだろう。その人物とは、寅子を明律大学女子部法科時代から支えてきてくれた第5代最高裁長官・桂場等一郞(松山ケンイチ)である。

 なぜ、それを予感させるかというと、このドラマはノンフィクション色が濃く、かなりの部分が史実に沿っているからである。桂場のモデルで同じく第5代最高裁長官の石田和外氏は、法曹界を揺るがす騒動を起こした人として知られる。

◆ノンフィクション性の高い本作

 このドラマは「原爆裁判」(1955-1963年)や「尊属殺重罰事件」(1968年)を採り入れた。また、118回の寅子が女性法律家たちの集まりで、最高裁人事局の言葉として「女性は資質的に裁判官としての的確に欠ける」と報告したのも事実。1970年、最高裁人事局長が同様の発言を行い、大問題になった。

 登場人物たちとモデルの人物像も相当重なる。やはりノンフィクション性を感じさせる。女子教育に力を注いだ明律大法学部の穂高重親教授(小林薫)のモデルは明治大教授として女子部の創設に尽力した穂積重遠氏。ともに民法学の権威で、最高裁判事を経験したところも一致している。

 ドラマ内で「家庭裁判所の父」と称されている多岐川幸四郎(滝藤賢一)のモデルは実際に「家庭裁判所の父」と呼ばれていた宇田川潤四郎氏。「家庭裁判所5性格」(1949年)を作成したところなど同じである。

「殿様判事」久藤頼安(沢村一樹)のモデルはやはり「殿様判事」の異名を持っていた内藤頼博氏。旧信州高遠藩主・内藤家の16代当主だった。ドラマでは多岐川と久藤の仲が良いが、宇田川氏と久藤氏の関係も親密だった。雲野六郎弁護士(塚地武雅)にもモデルがいる。原爆裁判で主任弁護人だった岡本尚一氏である。雲野は原爆裁判の口頭弁論が始まる直前の111回に無念の死を遂げたが、岡本氏も口頭弁論が始まる直前に急逝している。細かいところまで事実に沿っている。

◆桂場のモデルが起こした問題

 桂場のモデルが石田氏であることは当初から法曹界では常識だった。寅子の父親・猪爪直言(岡部たかし)が被告になった「共亜事件」(第18回~25回)で桂場は東京地裁の右陪席(次席)裁判官を務め、判決文を書いたが、その原型の「帝人事件」(1934年)の判決はやはり右陪席の石田氏が書いた。どちらの判決文にも「あたかも水中に月影を掬いあげようとするかのごとし」という印象的な下りがある。

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