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交通事故で「意識不明の重体」から生還した28歳女性。障害を持っても“くじけない”理由

日刊SPA! / 2024年9月16日 8時54分

 たとえばヘルプマークなどのように、一部で考案されたものが現在では全国で認知度が高まった例がありますよね。目に見えない障害に対して配慮できる優しい社会になっていくことを望みます。

◆不安を抱く一方で「誓ったこと」

――最後に、今後の展望をお聞かせください。

新井:現在、テレビや舞台でお芝居の仕事を中心にしながら、絵画に挑戦したり、変わったところでは催眠術に挑戦したりしています。それらはすべて事故後に始めたことで、“アナザーストーリー”ならばこんなことに挑戦したいと自分から手を伸ばしたものでもあります。

 翻って身体のケアも欠かせず、通院しながら経過観察をしている状態です。たとえば不調を感じたとき、病院で調べてみるとやはり事故の後遺症が原因となっていることも多くあります。先ほどもお話したように頸の血流が1本遮断されているため、もう片方に大きな負荷がかかる可能性が否定できず、不安に思うことももちろんあります。

 けれども、芸能の世界で表現者として生きていくと決めた以上は、意識がなくなるそのときまでは常に何かしらを発信していきたいと思っています。それが“生き仏”としての私の誓いでもあります。

=====

 ある日唐突に奪われた日常と、その先の未来。事故によって人生は大きく後退したかにみえた。だが幸不幸は一見してわからない。新井さんは「事故のあと、気づけたことも多い」と微笑む。家族、友人、仕事仲間の温かさ。別段感謝することもなく通り過ぎてしまいそうな、そんな微かな幸せたち。そこに気づけたのは、他ならぬ新井さん自身が壮絶な事故の記憶をくぐり抜けてなお、他者への配慮を忘れなかったからではないか。

 新井さんの言葉には濁りがない。多くの人に生き様が届くその日まで、澄み切った気持ちでありのままの世界を描いていく。

<取材・文/黒島暁生>

【新井舞衣】
1995年生まれ。埼玉県出身。俳優・司会・モデル。現在は画家としても活動中。
X:@ar_my_lgo
Instagram:maimya6

【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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