「日本一安い宿」を探してみた結果…北海道で見つけた“一泊500円宿”の居心地に驚き
日刊SPA! / 2024年9月17日 15時54分
付近に公衆トイレや300円で入れる温泉あり。立地的に苫小牧発着のフェリー利用者が多いとか。冬季は利用できないので注意国鉄の旧型客車を利用(旧富内駅列車ハウス)
ビジネスホテルですら一泊1万円を超えることが珍しくない昨今、懐に優しい宿はないものかと取材班が総力取材。知られざる穴場の数々を体験レポートで紹介する。
◆一泊1500円を下回る宿の予想外の居心地に思わず仰天
まず記者が向かったのは神戸・新開地。新開地は三宮から電車で10分ほど、神戸随一の風俗街・福原がある街で、戦前から戦後にかけて神戸の中心街として栄えたエリアだ。
本日の宿はそんな新開地にある創業65年の「三和ホテル」。到着して建物を眺めると明らかに外壁のコンクリートが傷んでおり、ただならぬ雰囲気を感じる。
急な階段で2階に上がり、受付で声をかけたが反応はない。受付の小窓の奥を覗くといびきをかきながら寝ているパンツ一丁の男性の姿が見えたため、ベルを鳴らして宿泊したい旨を告げた。
宿泊料は一泊1100~2100円の4つから選べる。1550円以上の部屋はテレビ付きらしいが、今回は最も安い部屋に宿泊することに。
◆「ルームキー」代わりは「ハサミ」
代金を支払うと部屋番号を告げられつつ、「これで部屋に入って」と手渡されたのはハサミ。鍵もなく、どうやって部屋に入るのだろうか。
疑問に思いながら部屋がある3階に上がると上半身裸の壮年の男性から「部屋、何番や?」と声をかけられた。
部屋のドアを全開にし、生活用具を廊下に山積みにしていることから察するに、おそらくここに定住しているのだろう。部屋の場所を教わり、礼を告げると「兄ちゃんホンマに泊まるんか? 死ぬほど暑いで」と笑う。
薄暗い廊下を歩き、部屋に到着。木製のドアの掛け金に結束バンドがかけられており、受付でもらったハサミでバンドを切って入室。部屋は奥行き2m、横1mほど。
荷物置きの棚には映らないアナログテレビと雑誌と灰皿があり、万年床と思しき黄ばんだ布団で床は見えない。
ドアを閉めて感じたのは尋常じゃない暑さだ。体感で40℃くらいだろうか、入室して10分で全身汗だくになったほど。部屋に設置されている扇風機を回しても熱風が吹くだけ、窓も開かないためサウナのようだ。
しばらく我慢したが耐えきれず、命の危険を感じてあえなく撤退。「死ぬほど暑い」はまったく誇張ではなかった。料金は破格でも、真夏は避けたほうが身のためかもしれない。
◆旅人の金銭的負担を包み込む北の大地
ついに1000円を切る宿があると聞き、北海道へ飛んだ。新千歳空港から車で1時間半、シカやキツネが現れる夜道を駆け抜け、むかわ町という小さな集落に到着すると、薄暗闇にブルーの鉄道車両を発見。
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