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初心者マークの車に“あおり運転”してきたスポーツカーがガードレールに衝突、警察のお世話になるまで

日刊SPA! / 2024年9月24日 8時51分

「私たちは顔を見合わせて、『あんなに無茶なことをするからだよ』と、不謹慎ですが、つい笑ってしまいましたね」

 その後、警察に通報した加藤さん。事故の対応を警察に委ね、友人とともに無事に帰宅できた。

「友人は、『危なかったけど、俺たち巻き込まれなくてよかったな』と言いながら、少し安心したようすでした」

 加藤さんにとっても、無茶な運転がどれだけ危険なのかを教えてくれた出来事となった。

◆首都高であおり運転を目撃

 ある日の夕方、首都高を運転していた熊田祐司さん(仮名・40代)は、目の前の車から、どこか異様な雰囲気が漂っていると感じたそうだ。

「私は前方の車をじっと観察していました。トラックとミニバンが並行して走っており、その後ろをシルバーのセダンがしつこく追い回していたんです」

 セダンの運転手は明らかに苛立っており、後ろにいる熊田さんにまでその苛立ちが伝わってきていたという。

「首都高の2車線をトラックとミニバンがぴったりと埋めていました。『セダンに追い抜く隙を与えない』といった状況です。いったい、何が起きているのか……」

 セダンは左右に車線変更を繰り返し、どちらかの車が道を譲るのを待ち望んでいるようだったのだが……。

「トラックとミニバンは、意図的なのか、それともただの偶然なのか、まるで息を合わせたかのように並走を続けています。隙間はわずか1メートルあるかないかだったでしょうか。10分ほど、この緊迫した状態が続いていました」

 その10分間が、まるで永遠に続くかのような感覚で、熊田さんにとっても非常に長く感じられた。セダンの運転手の焦りや怒りが、熊田さんにも分かったという。

◆突然のエンジン音に白い煙がもくもく

「そして、ついにそのときがきた」と、熊田さんは振り返る。

 セダンのエンジン音が突然、耳をつんざくような高い音を周囲に響き渡らせたのだ。と同時に、白い煙がもくもくと立ち上がった。

「私は、『やっちゃったな……』と思わず呟きました。セダンは速度を落とし、ハザードランプを点滅させて、車を路肩に寄せました。トラックとミニバンは、それを目のあたりにして軽くクラクションを鳴らし、余裕をもってその場を後にしたんです」

 どこか勝ち誇ったような感じさえ漂っていたそうだ。熊田さんはその瞬間、思わず笑みを浮かべてしまったとのこと。

「あれだけの時間、必死にあおり続けていたセダンの運転手が、自らの車を壊してしまうという展開は、まさに“因果応報”という言葉そのものでしたね」

 熊田さんはセダンが路肩に停まっているのを横目に車を進めた。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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