「養護教諭を目指していた女性」が刺青を入れた理由。夜の接客業で生活をする自分に「驚いている」
日刊SPA! / 2024年9月25日 15時54分
確かに周囲からみれば、イカロスは愚かしいと思います。でも、わかりきっていることであっても、やってみたくなることはあると思うんです。どんなに馬鹿だと笑われてもそれをやれてしまう幸せも、あるなぁって。私は自分の思いを人に伝えるのが苦手だったから、余計にそう感じるのかもしれません。周りの嘲笑も気にせず突っ走ることのできる爽快感に、憧れがあるんでしょうね」
一般に、人は自分の強みを活かして社会で生きる。だがなつこさんは、あえて主戦場ではない場所で戦う。「ヒノヒロコさんはじめ、キャストのみんなの表現力にあてられてしまって(笑)」――そうはにかむ彼女はもう、憧れた者たちと同じ舞台で五分に渡り合うプロの表現者だ。
言いたいことをうまく言えず、人とわかり合うことを諦めかけた学生時代。口をつぐみたくなるほどの壮絶な景色も脳裏に残す。だがなつこさんは、『楽園』という場所に彼女にとっての太陽を見た。迷いはない。大企業という安定を捨て、憧れに向かって誰よりも高く飛ぶ。愚かで愛しいイカロスになるその日まで。
<TEXT/黒島暁生>
【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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