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資生堂が苦戦、株価は年初来安値を更新。売上の25%を占める“中国依存”のリスク

日刊SPA! / 2024年9月25日 8時48分

【日本市場 — 成長は続くが競争激化の兆し】
日本市場では、経営改革プラン「ミライシフト NIPPON 2025」に基づき、収益性の高いブランドに集中した戦略が功を奏し、売上高は1415億円、前年比13.1%増と好調を維持しています。特に「SHISEIDO」や「クレ・ド・ポー ボーテ」といったコアブランドが成長をけん引し、新しいファンデ美容液市場での成功も追い風となりました。また、訪日外国人旅行者数が回復し、インバウンド消費も増加傾向にあります。しかし、日本国内では化粧品市場の競争が激化しており、長期的な成長を確保するにはさらなるイノベーションが必要です。

【中国市場 — 成長鈍化とブランド力の維持が課題ー】
資生堂の売上の約25%を占める中国市場は、依然として重要な収益源ですが、成長の鈍化が見られます。2024年第2四半期の売上高は1317億円で、前年比0.8%増とわずかな伸びに留まりました。現地通貨ベースでは7.6%減と、実質的な成長はむしろ後退している状況です。

特に「SHISEIDO」ブランドは、福島第一原発のALPS処理水放出に伴う日本製品に対する不買運動の影響を受け、売上が大幅に減少しました。この結果、コア営業利益も前年同期比で6億円減の49億円となり、利益面でも大きな課題が残っています。

今後、中国市場での成長を維持するためには、消費者ニーズに即した商品展開とブランド力の強化が求められます。またプロモーション活動だけでなく、持続可能な価値提供を通じて、消費者の信頼を取り戻すことが重要になるでしょう。

【アジアパシフィック事業 — 順調な成長を示すが課題もあるー】
アジアパシフィック事業はタイを中心に堅調な成長を続け、売上高は344億円、前年比12.3%増と良好な結果を示しました。特に「アネッサ」や「Drunk Elephant」などのブランドが全体の成長をけん引しました。しかし、現地通貨ベースでの増加率は3.3%に留まり、為替の影響を除くと実質的な成長は5.9%にとどまっています。アジア地域全体での経済成長鈍化や市場競争の激化が、今後のリスク要因となり得ます。

◆欧米事業、トラベルリテール事業は?

【米州事業 — 生産減少が響き、減益にー】
米州事業は「SHISEIDO」や「narciso rodriguez」などの増収ブランドがある一方で、「NARS」や「Drunk Elephant」において一時的な生産減少が影響し、出荷が減少しました。売上高は572億円で前年比8.4%増となったものの、為替の影響を除くと実質的な成長は3.9%減少し、実質的な成長は見られませんでした。コア営業利益も26億円と前年同期比で約15億円の減益となり、利益率の回復にはまだ時間がかかる見込みです。

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