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“無糖ブーム”に湧く飲料業界。“無糖紅茶”キリンに聞くホンネ「緑茶と何が違うのか?」といった声も

日刊SPA! / 2024年9月27日 8時51分

 夏の期間限定商品の開発を始めたのは、ちょうど2023年4月頃だった。

「まずは『夏らしい商品』ってなんだろうかと考えることから始めました。夏は炭酸やお水、お茶などスッキリした飲み物が売れるのがセオリーです。対して、紅茶は年間を通しても比較的安定して売れるカテゴリーですが、唯一夏の売り上げは伸び切っていない。そもそもホットのイメージが強く、甘いイメージがある紅茶ですが、どうにか夏にも受け入れてもらえる“スッキリとした紅茶”を作ろうと思ったとき、無糖の紅茶に可能性を感じました」

◆あえて“午後の紅茶らしさ”を取っ払う

 ターゲットにはお茶やお水、炭酸を飲むような、普段は紅茶を“手にとらない”層に設定。そんな人に選んでもらう商品にするために、一体どのようなことにこだわったのだろうか。

「まずは紅茶の中身にこだわりました。1つは茶葉のブレンドです。これは『キリン 午後の紅茶 TEA SELECTION』シリーズの全てにおいて、こだわっている部分でもあります。本商品では爽やかな香りのダージリン茶葉(30%)、すっきりした味わいのキャンディ茶葉(34%)、華やかなディンブラ茶葉(36%)といった3種類をブレンドしました。また飲んだ瞬間に広がるマンゴーの香りを中心に、パッションフルーツやライチといった南国の果実の香りを楽しめるように。最初から最後まですっきりとした、夏らしいアイスティーに仕上げました」

 さらにこだわったのは味だけではない。普段紅茶を選ばない人が手に取りやすく、パッと見て目を引くようなパッケージを作り込んだ。

「紅茶を普段から選ばない層に向けて、あえて“午後の紅茶らしくない”パッケージに仕上げました。そもそもパッケージを見ただけで『これは紅茶だから買わない』と、即座に判断してしまう人が多いからです。今回はブランドカラーである赤は使わず、英字を並べて、輸入品のような、洒落ている見た目に。初めて見たときに『あ、素敵な飲み物が出ている』と手に取ってもらえる。そんなパッケージを目指しました」

◆SNSで高評価の反面、課題は残る

「これまでのイメージを変える紅茶を作りたい」という想いから、中身やパッケージなど、隅々までこだわった期待の新商品。発売して約2か月、売り上げはいかがだろうか。

「商品自体は、SNSを中心にかなり評価をいただいております。ただ売上については、期待していたよりも厳しい状況です。お店に置いてもらうためには、全ての飲料商品のなかから私たちの商品を選んでもらわないといけません。ただし、夏の季節においては多くの新商品が出る季節。そのためお客様に届けるための多くの工夫が必要なんです」

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