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自民党総裁選、石破茂氏の勝利が「それほど意外な結果ではない」ワケ/倉山満の政局速報

日刊SPA! / 2024年9月27日 20時14分

◆国民人気だけでは足りない「決選投票」

抜け出したのは、小泉進次郎・石破茂・高市早苗。普段なら、およそ総裁候補になれるような人たちではないが、「選挙に負けるかも」となると、第一法則が発動する。最も国民人気が高い小泉進次郎氏が抜け出し、石破・高市が追う展開となった。

しかし小泉氏は、あまりに若すぎた。討論会での発言も不安定で「これで総理大臣が務まるのか」と不安を与えるには十分だった。急失速。

石破・高市が猛追、小泉も離されまいと「三強」の状態となった。他の候補は、もはや「通行人」の扱い。

ただし、あまりに候補者が多すぎて、誰もが決定打を欠く。自民党総裁選は、1回目の投票で過半数を得る候補がいないと、上位2位で決選投票を行う。そこで、議員同士の合従連衡がカギとなる。

ここで第二法則が発動する。三人の間で議員票の奪い合いが激化、他の候補も決選ではどの候補に乗るか、五里霧中・暗中模索・百鬼夜行。権謀術策が繰り広げられた。

◆派閥を解消すると真の派閥抗争が激化する

そこで二つ目の理論である。自民党が派閥解消を言い出したら、真の派閥抗争が激化する。事実した。『週刊SPA!』の連載では、他にもアクターを紹介したが、真の派閥の領袖は三人だと紹介してきた。すなわち、麻生太郎元首相、菅義偉前首相、岸田文雄現首相である。

この中で、もっともはやく旗幟を鮮明にしたのは菅前首相。小泉進次郎氏の応援を表明したが、石破茂氏との接近も囁かれていた。

麻生元首相は投票日前日になり、高市氏を応援すると決めたとの報道が流れた。

岸田首相も投票日当日に、石破応援すると決めたとの報道が流れた。

基本的に、この流れで当日の投票は読み解ける。

◆小泉では太刀打ちできない。高市では危うい

第1回投票では、

高市氏が大健闘。議員票72、党員票109
石破氏は2位を死守。議員票46、党員票108
小泉氏はそれでも猛追、議員票75、党員票61

3位以下の議員票の争奪が決戦となった。

結局、岸田系の票は石破氏に流れ、逆転。これには立憲の代表が野田佳彦氏になったのも大きかろう。「小泉では太刀打ちできない。高市では危うい」の声が広まった。

野田氏の演説や討論が特に優れているとも思わないが、そういうイメージが広がっている事実が重要だ。

かくして、石破氏の逆転勝利となった。

◆野田氏の失笑人事、石破氏は如何に

ところで、国民はなぜ岸田首相が辞めたのか、覚えているだろうか。「政治とカネ」の問題である。あれ、庶民がやったら脱税である。それを組織的長期的に。総裁選でメディアジャックして、すっかり忘れさせた。

さて、石破新首相の支持率が余程低くない限り、早期に衆議院総選挙が行われるだろう。国民に審判の機会が与えられる。

真・青木率は、政権の命運も決める。国民がどのような選択を行うかが問われるが、まずは人事を見てからだ。

戦いは人事をやり切るまでだ。戦場で勝って人事で失敗して破滅した人物など、歴史上星の数ほどいる。野田氏は既に失笑を買っているが、石破氏は如何に?

【倉山 満】
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

―[倉山満の政局速報]―

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