飛行機の隣に“太りすぎた客”が来たら? 航空各社の対応、日米では大きな違いも
日刊SPA! / 2024年9月30日 15時52分
◆JAL、ANAの運送約款には?
航空会社には「運送約款」という規定が存在し、これは旅客の安全と快適さを保証するために設けられている。輸送の為のバイブルであり、この存在を知っておくとスムーズな旅ができる。たとえば日系航空会社の場合、ホームページの最下段にある「運送約款」などと書かれたタブをクリックすると読むことができる。
JAL、ANAともにほぼ同じであり、国際旅客運送約款の第10条「運送の拒否及び制限」には、「他の旅客に迷惑を及ぼす可能性がある場合、航空会社は旅客の運送を拒否する、あるいは降機させることができる」と記載されている。
この規定に基づき、極端な場合には航空会社が大柄のお客様に対して別途対応を求めることができる。こうしたケースでは、対象の方は2席分の座席を購入するか、ビジネスクラス以上の広い座席を選択することが推奨される。本来この規定はチェックインカウンターで発揮されるべき内容のものであるが、人により見た目の判断は難しいものだ。すりぬけてしまった場合は、搭乗ゲートでの対処になり、それでも通過してしまった場合は機内で対応することになる。
◆アメリカの航空会社の「プラスサイズ」への対応は?
アメリカなど、肥満率が高い国では「プラスサイズ」という言葉が一般的に使われており、大柄の方々が快適に航空機を利用できるよう、いくつかの航空会社が対応策を講じている。「Simple Flying」という航空メディアでも取り上げられているように、サウスウェスト航空では、プラスサイズの乗客が2席分を事前に予約し、到着後に1席分を払い戻しを受けられる制度を導入している。これにより、乗客は他の旅客に迷惑をかけることなく、快適なフライトを楽しむことができる。
さらに、ジェットブルーやデルタ航空も、座席の広さや追加席の購入オプションを提供しており、大柄の乗客に配慮したサービスを展開している。ジェットブルーでは、通常席でも38インチ(96㎝)のシートピッチであり、これは一般的なエコノミークラス31インチ(79㎝)よりも8インチ(20㎝)広い数字になっている。デルタ航空では、エコノミークラスの座席幅は17.9(45㎝)~19インチ(48㎝)で、一部の航空機ではさらに広い座席を提供している。
これらの航空会社は、プラスサイズの旅客に対して寄り添う姿勢を見せ、旅客全員が快適にフライトを楽しむことができるよう努力している。全ての乗客に快適なサービスを提供するという公共交通機関の基本ポリシーに則っている。
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