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藤井聡太、超早指し棋戦で見せた“終盤の決断力”。3連覇へ向けて一歩前進

日刊SPA! / 2024年10月1日 8時48分

将棋で最もエキサイティングなのは終盤だ。特に持ち時間の短い対局の場合、観ているほうの胸も高鳴るような指し手の応酬が延々と繰り広げられる。

「自分は決断が悪いタイプなので、『考えすぎずに決断よく』ということは早指しの対局では特に意識してます。その一方で急所の局面では立ち止まって読みを入れるというのは大事だと考えています」と対局前日に藤井が語るとおり、秒読みに追われながらもジッと盤上を見つめながら読みを入れている姿は迫力たっぷりだ。対して佐々木七段も闘志十分。「心理的なプレッシャーに打ち勝つことが大事だと考えてます。玉が詰む詰まないという局面で弱気な手を指すことで、ズルズルいってしまうことは避けたいです」と、運の要素が少ない完全情報ゲームの将棋において、心理戦の重要度を口にしていたことが印象的だった。

両者の好手がぶつかり合うギリギリの終盤戦の末、129手で藤井が勝利。

◆投了図 129手目▲4二銀不成まで

局後の両者のコメントは以下のとおり。

藤井JT杯覇者「最初はこちらから攻めて飛車を取る展開になった。中盤は苦しいと感じるところもあったが、粘り強く指せたと思います」

佐々木七段「序盤はこちらが注文をつけて相手に動いてもらう将棋だった。しかし、ビシビシ指されて『この変化もカバーされているのか』と封じ手のあたりはガッカリしていた。中終盤はチャンスがありそうで、もう少し指しようがあったかもしれない」

勝った藤井の次戦は11月2日(土)に行われる準決勝第二局・東海大会での広瀬章人九段戦。3連覇なるか、次戦も目が離せない。

文/日刊SPA!取材班 写真提供/将棋日本シリーズ総合事務局

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