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「なんか歯が伸びた?」と思ったら要注意。歯が抜ける病気“歯周病”の恐怖

日刊SPA! / 2024年10月2日 15時53分

唾液の作用によって、歯垢は石灰化され2週間程で歯ブラシでは落とせない硬い歯石となります。歯に強固に付着し、より歯周病菌の住みやすい環境を作り出すため、歯石の放置は歯周病の進行に繋がってしまうのです。

◆進行すると「歯茎が下がって歯が伸びた」状態に…

炎症が慢性的に生じている状態に、どんどん歯の周囲の細胞は負けていきます。この段階でよく聞かれる訴えでは「歯茎が下がって歯が伸びた」です。もっと進行が進むと”歯が揺れてきた”という訴えも聞かれます。

こちらの患者さんでは全体的に歯周病の進行が見られ、歯茎は下がり、本来ならば歯茎の下に隠れているはずの足元部分が露出しています。その結果、「歯が伸びた」という印象を受けます。

このまま歯周病が進行すると、急に歯が抜けることがあります。当院にも歯周病によって抜けた歯を持参して来院される方もいます。

こうして歯が抜けるまで「全くの無症状だった」という所が、この病気の恐ろしさだと感じています。

一度歯周病によって歯が揺れ始めると、ドミノ倒しのように他の歯も揺れて抜けていきます。

歯周病を発症する前の予防の段階から歯科医院に行くのか、ある程度症状が出てから歯科医院に行くのか、限界まで我慢して歯科医院に行くのかは、歯周病の進行と未来のお口の状態に大きく影響します。

治療によって歯周病ではなかったころの状態に戻ることはできません。手術を行ったとしても全体的に広がった歯周病を元通りにはできません。現在の医療を考えても、どうしようもなくなってから治療に入るより、いち早く予防対策を講じた方が将来健康な歯を多く残すことができるのです。

「自分はどうなのだろう……」と感じた方は、歯科医院でしっかりと歯周病検査を受けてみてください。

<文/野尻真里>

【野尻真里】
一般診療と訪問診療を行いながら、予防歯科の啓発・普及に取り組んでいる歯科医師です。「一生涯、生まれ持った自分の歯で健康にかつ笑顔で暮らせる社会の実現」を目標にメディアで発信をしています。X(旧Twitter):@nojirimari

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