人命救助で話題の“医師兼アイドル”を直撃。ファンから「お医者さん姿も尊い」というコメントも
日刊SPA! / 2024年10月10日 15時54分
その後、自分が小6になったときに演劇部を立ち上げました。中高時代は部活動でミュージカルに打ち込むなど、舞台という場所に魅了されっぱなしの人生です。NEOアラモードのオーディションを受けたのも、観客として感動をもらった宝塚歌劇団の元団員である千幸さんにプロデュースしていただけるという理由が大きいです。同じことが2度は起きないライブの迫力に、毎回感動するんです。
◆「両親を納得させられる自分になろう」と誓った
――医師とアイドル、どちらも極めて難しい職業ですが、二兎とも追うと決めたときの周囲の反応はどうでしたか?
北村:中高時代、迷っていた時期がありました。両親には「医療の道は諦めて、芸能だけを目指そうかな」と相談したことがあります。強く反対されました。私は自分が情けなくて悔しくて、仕方ありませんでした。一番身近で私を見て応援してくれた両親に、「この子なら頑張れる」と思わせることができなかったんです。
それから、学業も舞台も精進することによって、両親を納得させられる自分になろうと誓いました。嬉しいことに、現在では毎月ライブに足を運んでくれています。また、友人には「アイドルになりたい」と率直に打ち明けていました。やりたいことには何でも挑戦してしまう私の性格をよく知っているので、「どうせ実現させるまで頑張るんでしょ」と呆れ半分で、でも応援してくれています。友人もよくライブに来てくれるので、とても嬉しいですね。
◆「お医者さん姿も尊い」とコメントされることも
――ライブを拝見して、ファンの方たちからの愛され方に驚嘆しました(笑)。
北村:私は本当に恵まれていると思います。よく「残業配信」と言って、スクラブ(医療用白衣)姿でだらだらライブ配信をすることがあるのですが、「お医者さん姿も尊い」というコメントをくれる方がたくさんいて(笑)。アイドルの私だけではなく、医師として働く私のことも肯定して応援してくれる人がこれだけいてくれるのは、心強いし前向きになれますよね。ライブにおいても、ファンの方たちが声援を送って会場を盛り上げてくれるから、歌いやすいし踊りやすいです。私が私でいられる場所をいつも作ってくれる皆さんに心から感謝しています。
――最後に、将来の展望をお聞かせください。
北村:医師としてもアイドルとしても、高いレベルに達することができるように努力を続けられたらと思っています。NEOアラモードのメンバーたちはみんなそれぞれが活動をしてきた背景があって、同じ目標に向かっていける大切な仲間です。そして何より、私がずっと大切に思ってきた医師とアイドルのどちらの姿も認めてくれるファンの皆さんのおかげで、こうした活動ができています。見てくれる人の元気を引き出せるパフォーマンスがこれからもできるよう、邁進したいです。
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利発さと謙虚さに美貌を兼ね備える北村さんは、まさに歌って踊れる才媛。だがその魅力すら、彼女の一端に過ぎない。「自分に向き合ってくれたすべての人をひとり残らず元気にする」――本気でそう願うからこそ、過密スケジュールを縫ってアイドル活動に全力を傾注する。
その根源にあるのはおそらく、感謝だろう。自分を支え、成り立たせてくれている万物への感謝があるから、北村さんは舞台からファンに向かって声をかけ続ける。表面的な華やかさだけではない、もっと愚直で人間臭い彼女の内面にファンが共鳴するからこそ、心ふるわせる旋律となって会場を疾走していく。
<取材・文/黒島暁生>
【黒島暁生】
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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