「娘を注意した教官に二度と会わせないで」“度を超えた要求”する自動車教習所のカスハラ客たち
日刊SPA! / 2024年10月11日 8時54分
◆「免許の不正取得」を後押した教習所の末路
過去には、とんでもないモンスター客のせいで事件に発展したケースもありました。
教習所には学生ばかりではなく、免許の取り消しや失効などで再取得を目指し入所してくる40代以上の教習生もいます。関東近郊のとある教習所では、何度卒業試験を受けても合格できない男性がいました。そこでその男性は、教習所に対し脅しをかけたのです。
「次の試験で合格させなかったら、どうなるかわかっているのか」と。
その男性の身分はよくわかりませんが、いわゆる反社か、それに近い立場の人だったのではないかと言われています。
案の定、卒業試験には合格できず、しかし教習所は合格証書を発行し、卒業させてしまったのです。その後、男性が免許を不正に取得したことがわかり、逮捕。教習所にも行政指導が入り、その教習所は閉業に追い込まれたそうです。筆者がこの話を聞いたのは、当時のことを知っている先輩教官から。そのため、なぜ不正取得したのが明るみになったのか詳細はわかりません。
◆「カスハラ対策に力を入れる教習所」が増加
不正が故意ではなく、単に人的ミスで起きてしまったとしても、管理体制などが厳しく問われます。例えば、受講する順番が決まっている講習があり、手違いでその順番を間違えてしまったということは、たまにありますし、教習所に対する行政指導は、少なくても数年に一度は全国の教習所で起きています。
教える立場である教官と、教わる立場である教習生という関係上、教習所ではカスハラは起きにくいと言われてきました。しかし近年では、従業員や会社を守ることを目的に、カスハラ対策に力を入れる教習所も増えてきています。自治体でもカスタマーハラスメント対策として相談窓口を設置したり、専門家を派遣したりしています。
カスハラはどんな業界でも起きうる可能性があります。自分がどんな立場であれ、過度な要求はしないようにするという意識こそが、カスハラ根絶につながるのではないでしょうか。
<TEXT/室井大和>
【室井大和】
自動車ライター。出版社の記者・編集者を経て、指定自動車教習所の指導員として約10年間勤務。その後、自動車ライターとして独立し、コラムや試乗記、クルマメーカーのテキスト監修、SNS運用などを手がける。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
電車運転士は「おっしょはん」とともに 強い絆の師弟関係 昭和100年だヨ!全品集合 阪急電車編
産経ニュース / 2024年11月22日 10時30分
-
高校生の子どもが「東京で働くから自動車免許はとらない」と言っています。東京でも“免許”はあったほうが便利ですよね? 大人になってからだと、取得も大変だと思うのですが…
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月8日 5時20分
-
高学歴な人ほど落ちやすい?教習所の技能試験で“何度も失敗する人”の特徴を「元教官」が分析
日刊SPA! / 2024年11月3日 15時54分
-
自動車学校でも省人化「AI教習システム」の必然性 指導員不足の解決を目指す新技術を体験した
東洋経済オンライン / 2024年10月28日 8時40分
-
自動車免許のない「専業主婦」です。移動の負担軽減のため、できれば車に乗りたいのですが、「子育てと家事」をしながらでも「免許取得」を目指せるでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年10月28日 2時0分
ランキング
-
1コンビニ大手3社の「肉まん」「高級豚まん」を実食。この冬に食べるべき“コスパ圧倒的”の肉まんは
日刊SPA! / 2024年11月24日 15時52分
-
2コロッケでも餃子でもハンバーグでもない…受刑者200人が答えた「刑務所ごはん」人気No.1メニューとは
プレジデントオンライン / 2024年11月24日 16時15分
-
3品川イオンスタイル「最強フードコート」の実態 太っ腹にも程がある?自由すぎる食のスポットだ
東洋経済オンライン / 2024年11月24日 12時0分
-
4とんでもない通帳残高に妻、絶句。家族のために生きてきた65歳元会社員が老後破産まっしぐら…遅くに授かった「ひとり娘」溺愛の果て
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 8時45分
-
5小泉孝太郎がやっている「納豆の最高においしい食べ方」 タレ半分、“あるもの”をたっぷり
Sirabee / 2024年11月22日 16時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください