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大谷翔平、自身初PSで「本来の打撃が影を潜めているワケ」。“気持ちの高ぶりすぎ”も影響か

日刊SPA! / 2024年10月11日 15時50分

 地区シリーズの舞台となっているロサンゼルスとサンディエゴは、どちらもカリフォルニア南部に位置し、半乾燥性亜熱帯に属する温暖な気候。10月でも日中は20度を超える快適な環境だ。しかし日が沈んだ後は湿度がやや高くなり、デーゲームに比べると、打球は飛ばなくなる。

 実際にレギュラーシーズンでの大谷はナイトゲームとデーゲームで成績に大きな差があった。

 デーゲームでは、42試合で打率.357、19本塁打、OPSは1.244に上った。これに対して、ナイトゲームでは、117試合で打率.293、35本塁打、OPSは.962。OPSの違いを見ても、大谷はよりボールを見やすいデーゲームを得意にしていたことがわかるだろう。

 1勝1敗で迎えた地区シリーズ第3戦では、センター方向へ高々と舞い上がった大谷の飛球がフェンス手前で失速し、センターフライとなった。これもデーゲームであれば柵越えかという当たりだった。

◆第4戦では大谷らしからぬプレーも

 大谷自身の打撃がなかなか本調子に戻らない中、第4戦ではしびれを切らすような“大谷らしからぬプレー”も見られた。

 それが、5点リードで迎えた4回表。四球で出塁した大谷は、好走塁で二塁に進むと、4番テオスカー・ヘルナンデスの三塁線を破る当たりで本塁を突いたが、あえなく本塁でタッチアウトとなってしまった。

 普通なら打球はレフトのファウルゾーンに転がり悠々ホームインとなるはずだったが、なんと打球が三塁塁審の左腕を直撃。ボールが三塁手マニー・マチャドの近くに留まったため、大谷は本塁で憤死してしまったのだ。

 このプレーを冷静に見ていた三塁コーチは大谷を制止していたにもかかわらず、結果的にこれを振り切っての走塁死。さらに大谷は、ベンチに引き返した後、映像を確認すると、悔しさを露わにして声を荒らげるようなシーンもあった。

 これは大谷の勝利に対する執念が生んだ行動ともいえるが、逆に自身初のポストシーズンで気持ちが高ぶりすぎている結果ともいえなくはない。

◆ダルビッシュ相手に雪辱なるか

 泣いても笑っても第5戦で地区シリーズの勝者が決まる。大谷は自慢の打棒を爆発させ、ヒリヒリする秋を続けることができるのか。前回対戦では、ダルビッシュの多彩な変化球で手玉に取られているだけに、リベンジに燃えているはず。見どころ満載の一戦に注目が集まる。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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