「店主の高齢化」で倒産・廃業が急増する昔ながらの飲食店。“深刻な人手不足”を打開する解決策は
日刊SPA! / 2024年10月14日 8時54分
◆飲食店経営は簡単そうに見えるが継続させるのは難しい
飲食店経営は簡単そうに見えるから、開業希望者が多いが、1年で3割、2年でその5割が廃業し、10年で1割しか残らないというのが現実だ。
倒産理由はもちろん運転資金がなくなることだ。だから、営業赤字が続いても資金的余裕がある店なら、営業を続けることができる。通常、飲食店を個人で開業する際、実績がなければ取引先に信用取引をしてもらえず、食材など購入時には先払いが必要だ。
それら仕入れたものを販売し売上にできたとしても、最近はキャッシュレス化が進展し、お客さんの現金払いが少なくなっているので、資金繰りが難しいこともある。
ディナー帯は単価が高いからクレジット払いが多い。売上入金が遅ければ、店が黒字でも倒産する恐れがある。したがって、回転差資金を考慮した資金繰りが必要だ。
また、当然ながら損益分岐点を把握し、収益管理の徹底が必要だ。固定費・目標利益・変動費用を把握し、それを達成する為にはいくらの客単価と客数が必要で、客数の来店頻度から何人の固定客が必要かといった顧客管理も重要だ。
しかし、料理は得意でもこういった管理が苦手なオーナーシェフなどがこのマネジメントができずよく失敗する。そのためにも初期コストを低減させ、運転資金に回すことは大切なのだ。低コストな開業を実現するため、出来上がっている店を買収する方が、コストもリスクも低い場合が多い。
◆飲食店のM&A市場が活発化している
先述の通り、一から店をつくる時間やコストを考えたら、M&Aの方が早く開業できる。一般的に新規開業する際、いくら精度の高い売上予測をしても、店は開けてみないとわからないものだ。業態と地域ニーズの不合致性は話にならないが、よく起きるミスでもある。
その点、既に実績がある店を購入できたら楽だ。
以前は、賃借物件で飲食店を経営する店主は、経営不振で店を閉めたいが、賃借契約の条件の中に原状回復返還義務があり、スケルトンにする費用がないために、赤字なのに閉められなかった例が多い。
今は多くの売り物件や購入希望者を紹介する飲食店専用のM&Aサイトが多数ある。昔と違い、ネックだった高額の手数料も安くなっており、M&A市場はますます進化している。
もちろん、売り手から中古品を買い受けるのだからそれ相当のリスクはある。でも、こういった市場や仕組みがあることで容易に撤退と参入できることになり、飲食店市場は活性化される。
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