今の日本代表は「個の能力が高いだけ」“慎重すぎる”森保監督のスタンスに賛同しかねるワケ
日刊SPA! / 2024年10月19日 15時51分
はっきりいうと、交代で得点は生まれたがそれだけであって、状況を打開するどころか悪化させた交代策だったと評価せざるを得ない。
◆メンバーを固定し、同タイプの選手を招集するのは…
オーストラリア戦後に森保監督は、4バックのシステム採用について「選択肢としては持っていました」と回答した。だが、招集メンバーで唯一左サイドバック経験者の長友佑都をベンチ外にしているため、その回答には疑問符をつく。
サウジアラビア戦もオーストラリア戦も、相手の戦術を考慮すれば4バックのほうがうまく試合を展開できたことだろう。今回は負傷者が続出して思うようなメンバー構成ではなかったことは采配面を評価するうえで考慮しなければならないが、先述のように長友をベンチ外としたことで戦術の幅を自ら狭めたことは否めない。
また、メンバー招集時点でも疑問符はつく。森保監督は「人が変われば戦術も変わる」と公言してきた。それは、それぞれの個が持つ異なる特長を生かしたサッカーを目指しているということで、特長に違いのある選手を招集することで戦術の幅を広げるということでもあると理解できる。実際に、今の日本代表候補となる選手は特長も多種多様でそれぞれのレベルも高いので、それは高水準で実現可能だと考えられる。
しかし、最終予選に入ってからはある程度メンバーを固定しているため、同タイプの選手を招集している傾向にある。たとえば、上田綺世と小川航基はさまざまなことをマルチにこなせる同タイプのFWだ。オーストラリア戦の後半は運動量も落ち、最終ラインの裏へ抜け出す動きが少なくなっていた。そういった状況では、小川より古橋亨梧の特長のほうが生きたことだろう。
◆今の日本代表は「個の能力が高いだけ」
先日公開した記事では「慎重にやらせていただいたところはあります」という森保監督の発言をピックアップしたが、それは最終予選全体を対象としており、起用選手をある程度固定して戦術面の確認事項を少なくするという狙いを持っている。
何よりも勝利が最優先となる最終予選において、チャレンジより着実性に重きを置くことは理解できる。しかし、戦術は相手が変われば変わるものであるため、自ら狭めるという考え方には賛同しかねる。日本はすでにさまざまな戦術下でも力を発揮できるだけの対応力を身につけており、多角的な戦術を展開できることがチームの強味のひとつとなっている。そのさまざまな戦術を相手に応じて展開すればいい話であって、戦前から戦術をひとつに絞るようなことをしていては自らの首を絞めているようなものだ。
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