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大手企業社員の“早期退職”後に分かれた明暗。「定年まで働くべきだった」と後悔した男性40代の理由は…――大反響仰天ニュース傑作選

日刊SPA! / 2024年10月20日 15時44分

「今までとは勝手が異なる現場に配属になり、部下から仕事を教わっていたのですが、毎日罵声を浴びせられていたのです。部下は役職に合う仕事を私に覚えさせるために指導しているつもりでしたが、私は次第に、会社に行くのが苦しくなりました」

 上司はその状況に無関心で誰も助けてくれない。山崎さんは精神的に追い詰められていったという。そして、「早期退職制度」を利用し、自己都合により退職することにした。

◆1000万円入金された通帳にワクワク

 早期退職して良かったことがあったという山崎さん。

「有給休暇を消化して、社会人になってから初めて長い休息期間を設けられたこと。そして、今までの人生を振り返れたこと。生い立ちから現在に至るまでの自分のストーリーを書き出してみました。エンディングノートのようなかたちですね。また、生きているいちにやりたいことのリスト(バケットリスト)も作ったんです」

 バケットリストで思い浮かんだのが「起業」「副業」「友達作り」。

「これから約10年をどう生きるかを考えました。そうすることで、自分の人生に後悔することはないだろうと思ったのです」

 山崎さんは退職金の使い道も決めていた。優先順位は「娘の大学費用」「投資」「趣味」である。

「早くに退職金をもらえたことがいい機会だったと思います。1000万円入った通帳を見て、ワクワクもしましたね」

 そして何より、大手企業の社員としての責任や人間関係から開放され、現在はストレスをあまり感じなくなったという。

 とはいえ、困ったこともある。それはやはり、金銭の問題だ。山崎さんはすぐに再就職できたが、住宅補助金がなく、収入も3分の2ほどに減少した。

◆収入が激減しても「心は豊かに」

「家計は私が管理しています。現在の給料は手取りで約30万円。固定費で一番高いのはマンションの家賃で9万5000円です。支出ばかりが増える月が続いていて、マイナス分は退職金から補填して生活している状況です」

 副業を始め節約もしているというが、「大きな効果はまだ見えていません」と打ち明けた。ただ、山崎さんはとても前向きに捉えている。

 大手メーカーでは給与や福利厚生が充実していたが、人間関係はギスギス。“心の豊かさ”にはかえられなかったのだ。

「生きるためには環境を変えるしかありませんでした。これから娘が大学に進学して、お金がかかる時期になりますが、なんとか心は豊かになったので……。生活費をうまくコントロールしたいと思っています」

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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