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「やみくもに賭けたら無一文に」東大卒ポーカープレイヤー×気鋭のエコノミストが明かす“勝負の極意”

日刊SPA! / 2024年10月22日 8時51分

 ポーカーではレートの高いテーブルにいるような強い対戦相手に対して、リスクを抑えた中途半端なプレーをしても勝てません。スキルがある人なら、より高いレートのテーブルに座る方が時給が高くなりますが、そのようなテーブルでリスクを抑えて期待値を失うプレーをするのは本末転倒で逆にやられてしまいます。

 高いレートを打つなら対戦相手のレベルが上がるのでなおさらリスクを取らざるを得ないし、それが難しいならレートの低いテーブルでコツコツ稼ぐ方が良い。要するにリスクとリターンはトレードオフなので、リスクを抑えて大勝ちするなんてできないんです。

◆損切りというリスク管理

エミン:ポーカープレーヤーの場合、ひとつのセッションで賭けるのは軍資金(=バンクロール)の5%ぐらいが一般的ですよね。株のデイトレードやFXトレードをする場合も同様に、ひとつのトレードで資産の5%以上をリスクにさらさないというルールを徹底する人もいます。こうしたバンクロールマネジメントは、習得すればそれで勝てるというものではありませんが、あっという間にすべてを失って退場という事態を避けるために必要なスキルです。

木原:リスクの調整は、株の方がコントロールしやすいと思います。投資金額だけでなく、銘柄選びや分散、レバレッジの有無を変えることでもリスクを調整できますから。

エミン:確かに、厳密なリスク管理や速やかな損切りが求められるのは、信用取引やFX、指数先物のように資金の額を超えたレバレッジ投資をするときです。余剰資金の範囲内で現物株式を持つ分には、そこまで厳格なリスク管理は必要ないし、その点はコントロールしやすいですね。

木原:僕は損切りのルールを徹底するというより、下落しても喜んで買い増しできるような銘柄を、損切りしなくていい金額に抑えて投資することが多いです。そうすると上昇したときのリターンも少なくなるので難しい判断ではありますが、両立はできませんから。資産の全額をひとつの銘柄にぶち込んでいたら損切りは必須だけれど、しっかり分散ができているなら株価が下がったという理由だけで損切りする必要はないと思います。

◆明らかに損な投資とは

木原:そもそも、株価はその企業とはまったく関係のない理由で下落することもありますよね。本来そこは損切りではなく、追加で買うポイントなんですよ。あきらかに不当に安くなっているのは期待値がプラスな局面ですから、わざわざ損切りという期待値マイナスのプレーをするのは明らかに損です。そうしなければならない状況に追い込まれたとしたら、それは単純に投資金額が高すぎるのであって、もっと少ない投資金額だったら損切りしなくても済むはずです。

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