売り出し総額3486億円。東京メトロ「歴史的IPO」がもたらす影響とは?保有には“リスク”も
日刊SPA! / 2024年10月22日 8時50分
今回の大型上場は、東京メトロがいかに市場で評価されるかを問う試金石となるでしょう。
同社の株式は国(財務大臣)が53.4%、東京都が株式の46.6%保有しており、上場による新株の発行はありませんが、そこから国が26.7%、東京都の23.3%を合わせた、全体の50%が売り出され、流通性の高い銘柄となることから、個人投資家にも注目されています。ちなみに1株あたりの配当金は40円(2025年3月期)を予定しています。
◆IPOスケジュールと引受証券会社
東京メトロのIPOスケジュールは、以下の通り進行しました。
•仮条件決定日:10月7日
•ブックビルディング期間:10月8日~10月11日
•公開価格決定日:10月15日
•申込期間:10月16日~10月21日
•上場日:10月23日
主幹事には野村證券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が名を連ねており、信頼性の高い体制で進行しています。売出株数は2億9050万株、うち国内での売出が2億3240万株、海外向けが5810万株です。これにより、国内外の投資家からの関心を集め、上場直後の株価の動向が注目されます。
◆株主優待と投資家へのメリット
東京メトロのIPOに際し、個人投資家にとって注目すべきポイントの一つが、株主優待制度です。
東京メトロが株主向けに提供している優待制度は、通勤や移動をより快適にするだけでなく、株主に東京メトロ関連の施設やサービスを幅広く体験させる仕組みとして注目されています。特に首都圏で日常的に電車を利用する人々にとって、価値のある株主優待といえます。
【優待乗車証:株主の移動をサポート】
株主に対する最も直接的な特典は、保有株数に応じた「株主優待乗車証」です。これは、東京メトロの全路線で使用できるきっぷや定期乗車証で、年に2回(3月末、9月末時点の株主対象)、発行されます。
例えば、200株以上400株未満の株主には片道1回限りの全線きっぷが年2回、それぞれ3枚ずつ発行されます。株式保有数が増えるほど、この枚数も増加し、例えば1,000株以上3,000株未満の株主には、それぞれ15枚のきっぷが発行されます。
さらに、10,000株以上を保有する株主に対しては「全線定期乗車証」が発行されます。これは東京メトロ全線を自由に利用できるもので、電車移動が多い株主にとっては非常に大きなメリットと言えるでしょう。
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