元ラブホ従業員が明かす、意外な“人間模様”。70代の高齢男性が1人で来店し…
日刊SPA! / 2024年10月29日 15時51分
清掃業務は旅館で経験していたため、不安はなかったと話す。
「面接では、ラブホという場所柄、怖い人が出てくるのかと思ったのですが、店長は優しい方でした。オーナーは女性で、明るくて上品な印象でした。息子さんが医学部に通っているとも聞き、ラブホって、想像とはまったく違う人たちが関わっているんだなと思いました」
一緒に働くスタッフも楽しい人ばかりだったそうだ。
◆同僚には日本舞踊の先生や料理人がいた
「思い出深いのは、日本舞踊の先生と料理人をしている2人ですね。2人とも兼業でラブホの仕事をしていました」
特に日本舞踊の先生には厳しく指導されたようだ。
「先生は、『清掃はお客様のあとを絶対に残してはいけない』と、髪の毛1本も見逃さず、指紋が残りそうなところはアルコールでピカピカに拭きあげます。鏡や水道の蛇口やシャワーヘッドに至るまで丹念に磨き上げました」
楠山さんは、「旅館の清掃でもここまではしていなかったので、勉強になりました」と振り返る。
ラブホの清掃員は客に姿を見られてはいけないため、部屋から部屋への移動は忍者のように隠れ、息を潜めながら行動することが求められた。「それが楽しい思い出です」と楠山さんは言う。
また、ラブホにも業界用語があるようで……。
「例えば、“特掃”や“本掃”という言葉がありますね」
特掃とは、部屋の回転率が少ない日に隅々まで念入りに掃除すること、本掃は汚れたところを集中的に掃除することだそうだ。
「ちなみに“軽掃”は、浴室の使用がなかった場合にチェックのみを行うことを言います。浴室は意外と清掃時間がかかるので、軽掃でいいときは助かりました」
風呂を使用しない人がいるのは意外かもしれないが、実際に “浴室未使用”というケースも少なくなかったとか。
<取材・文/資産もとお>
―[ラブホの珍エピソード]―
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