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物価高で苦境に立たされる「花火大会」…急増する必要経費に“チケット有料化”だけでは打開できず

日刊SPA! / 2024年10月29日 15時50分

 しかし、チケットを有料化にしたことで金銭面の問題が一気にクリアになるわけではない。

「花火観覧用のイスやカフェチェア、カフェテーブル、テント、ストーブなどの設備を用意したり、会場までの動線を前年度以上に整えたりするために、事前の想定以上の設備代がかかってしまいました。前年度と比較すると、設備代は約4倍に増えています」

◆物価が高騰する中でも新たな試みにチャレンジ

 花火大会を開催するのが年々厳しくなる中でも、大会を心待ちにしている協賛企業や地元住民のために、さらなるクオリティアップを目指している。

「これまで打ち上げ場所は3か所でしたが、今年は4か所に増やしました。さらに、大きな打ち上げ花火の見栄えをよくするために、低空で輝く花火の演出にも力を入れています。

 また、今年も花火と音楽を共演させる予定ですが、これまではレンタルで音の質が悪いという課題があったので、今年は専門の業者にお願いしました。どうしても予算は増えてしまいますが、有料化に踏み切ったからには、例年以上に満足していただきたいですから」

◆今いる仲間たちと60歳まで花火大会を続けたい

 コロナ禍でも完全リモートで開催し、物価高などを理由に全国各地で花火大会が中止になる厳しい状況下でも、立花氏には秋川流域花火大会を継続していきたいという強い思いがあった。

「“コンソーシアム”とは、共通の目的を持つ複数の組織が、協力するために結成する共同体です。2019年当時、私はあきる野青年会議所(通称JC)の理事長の時に、現在の事業を立ち上げました。それから5年目に現在のまちづくりコンソーシアムを立ち上げ、JCから事業を移行し、現在は共催として事業を行なっています。

 第1回目の花火大会を開催するにあたり、会場を貸してくださったサマーランドの社長と約束したんですよ。『継続的に開催してもらえるのであれば、サマーランドとしては、協力をさせていただきます』って。

 その時に私は覚悟を決めました。私は理事長として代表を務めておりますが、今年43歳になります。今後も地域のまちづくの産業として、今いる仲間たちとは60歳まで続けていきたいと考えています」

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