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「社名のロゴに見覚えが」“あおり運転”してきたハイエースの運転手が深々と頭を下げて謝罪するまで

日刊SPA! / 2024年10月30日 8時52分

 ただ口をパクパクさせるばかりの相手を横目に、富田さんは追い打ちをかけるように「安全運転は御社の企業理念の1つだとうかがっています」と続けた。

「実は、私どもの会社とお取引のあるB運輸さんの車両だと気づきまして。今回の件について、御社の担当者様とお話しさせていただいてもよろしいでしょうか?」

 運転手の顔から血の気が引いていくのが見て取れたという。相手の男は深々と頭を下げ、必死に謝罪の言葉を並べた。結局、この件は相手の上司にまで報告され、会社をあげての謝罪に至ったそうだ。

 それ以降、その会社の車を見かけるたびに、極めて丁寧な運転をしているのを目にするようになったと、富田さんは話す。

「あの日の出来事は危険で不愉快な経験でしたが、最終的にはよい結果をもたらしました。あおり運転という非常識な行為に対し、冷静かつ賢明に対処できたことで、スカッとした気分を味わえましたね」

◆数年ぶりの兄との楽しいドライブが一転…

 秋の肌寒い日、小林清二さん(仮名・40代)は、数年ぶりに兄と一緒に実家へ向かっていた。

 兄との束の間のドライブを楽しんでいたとき、小林さんたちの身に思わぬ事態が発生した。市街地の交差点で、右側から1台の車が一時停止を無視して飛び出してきたのだ。運転していた兄は咄嗟にブレーキを踏み、相手の車も急停止した……。

「接触はギリギリ免れましたが、あと数センチ違えば大事故になるところでした」

「危ねえ!」と兄が声をあげて相手を一瞥し車を走らせると、相手の車も動き出したという。その車は、小林さんたちの後ろにぴったりとくっつき、あおり運転を始めたそうだ。

「バックミラー越しに、若い男が2人乗っているのが見えました。明らかに怒った表情で、執拗にクラクションを鳴らし、ビタづけ状態で追いかけてきました。兄は冷静さを保とうとしていましたが、焦りの色も見えました」

 小林さん自身も不安で胸が締めつけられる思いだったという。

 しばらく走ると、相手の車はさらに挑発的な行動に出る。小林さんたちの車を追い越し、ゆっくり走ったかと思えば急ブレーキをかけるという、危険な行為を繰り返したのだ。

「この恐怖の時間は、5分ほど続きましたね」

◆“元ヤン”の兄がとった行動とは?

 やがて、大きな駐車場に差し掛かったとき、兄は突然ハンドルを切って車を停めた。「ちょっと待ってろ!」と言い残し、車を降りていく兄。

「私は不安で震えていましたが、兄の後ろ姿は昔のヤンキー時代をほうふつさせるものでした」と小林さん。今では見た目は温厚なパパだが、実は“元ヤン”だった!

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