自分を虐待した母を「救いたかった」女性の半生。“不幸菌”をうつす気がして「友人の子どもにも触れない」
日刊SPA! / 2024年10月31日 15時54分
そんな学校でも、唯一居場所と呼べるところがあった。
「図書室ですね。意外と人が少ないんです。昔から本が好きでしたので、外の世界に辛いことが多い私は、没頭することができました」
◆「学費が振り込まれていない」と呼び出され…
家庭にも学校にも居場所はない。孤独を選ぶ日々のなかで、のしいかさんは衝撃的な体験をする。
「小2くらいのときだったと思います。ひとりでじっとしていると、おじさんが近づいてきました。『下半身を蜂に刺されていたいから、お嬢ちゃんにさすってほしい』というんです。何もわからないまま私が下半身を撫でていると、明らかに何かが出ました。それで、おじさんは満足そうに帰っていきました。私は純粋に人助けをしたと思って、母に褒められたい一心で報告しましたが、それを聞いた母は烈火のごとく怒り、私は壁に突き飛ばされました。それ以降も、ひとりでいる私のところにはいろいろなおじさんがやってきて、スカートの中を覗く人もいたり、自慰行為を見てほしいという人がいたり――でもみんな優しく接してくれるなぁと思っていました」
明らかな性被害だが、当時ののしいかさんはそれを認識できていない。高校生にもなると、自分でも知らない間に、性的なハードルはかなり下がっていた。
「高2のとき、担任から『学費が振り込まれていない』と呼び出しを受けました。母はアルコールに溺れ、もはや家庭のなかで機能していませんでした。しかしその事実を父に告げても、『俺は稼いで、十分な金額を渡しているだろうが』と怒鳴り散らすのは目に見えています。そうなれば、母が殴られ、そのしわ寄せが私に来るのは明らかです。私は、自分で身体を売って稼ぐしかないと考えました」
◆男性からの“報酬”で大学受験にまで至るが…
高校では“ガリ勉キャラ”だったというのしいかさんは、驚くべき行動に出る。
「学校帰り、とある駅まで行くんです。持つのは片道分の電車賃のみ。客を取れなかったら帰れないという背水の陣で、公衆電話に向かいました。ツーショットダイヤルという、出会い系の原型のようなサービスが当時あり、それにアクセスするためです」
“高校生ブランド”があったのしいかさんは、男性に抱かれることで高額な報酬を得た。
「いろいろな人がいました。『制服を持ってきてくれればもっとお小遣いあげるよ』という人もいたり、反対に私の身体を見て『傷だらけだから値段をまけてくれ』という人も。だいたいひとり3〜7万円くらいだったと記憶しています。そのお金で私は高校に通い、大学受験までを凌ぎました」
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