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蟹漁船に乗って「9か月の漁師生活」を送った芸人。“テレビでは話せない”過酷な日常を告白

日刊SPA! / 2024年11月3日 8時54分

 漁のスケジュールはどのような流れなのか。

「漁は港を出て2泊3日で帰って来るのが基本です。漁場への行き帰り時は僕ら下っ端は暇ですが、漁が始まれば蟹カゴを揚げきるまでほとんど寝ずに作業をして、漁が終われば港に帰ります。陸に上がったら寮で寝泊まりして、船員仲間と食事することも多かったです。皆さん海の男だからか、酒が強かったです(笑)」

 つかの間の休息の後、すぐに次の漁に出港するというからなかなかハードだ。

「帰港の翌日に水揚げや船などのメンテナンスを行って、その次の日にまた漁に出るサイクル。悪天候で漁に出られない日とお盆以外はほぼ休みがありませんが、禁漁期間の1月と2月はシーズンオフなので一切の稼働はありません」

◆同僚の指が飛んだことも

 漁の最中に悪天候になってしまうこともある。波が高いと船が尋常じゃなく揺れることに加え、疲労も蓄積されていく。怪我や事故と隣り合わせの環境なんだとか。

「蟹カゴはすべてロープでひと繋ぎになっていて、海に落としてしばらくしてから機械で巻き取るんですが、ある船員の方がバランスを崩して、巻取り中のロープに指を挟まれ、指が一本ちぎれたことがありました。

 漁も佳境で疲労困憊だったこともあり、呆然としていたその人の指を、飛んできたカモメが食べてしまったときは『何が起きたんだ』と理解が追いつきませんでしたね」

◆400キロ以上の白い粉が入ったバッグを拾った

 10か月の漁師生活の中で、珍しい“落とし物”を拾ったこともある。

「海に浮かぶ不審な漂流物を見つけたら、必ず拾って海上保安庁に連絡するのがルールなんです。人間の死体なんかも、その対象です。

 ある日、何もない海域に”ウキ”が浮いてるのを先輩が見つけて、不自然なので引っ張り上げてみるとロープにぶら下がったボストンバッグが数珠つなぎ的に7個上がりました。やけに重いし、『死体でも入ってるんじゃないか?』とみんなざわついてました」

 バッグに入っていたのは死体ではなかったが、別の意味で事件性を感じるものが現れた。

「まず、それぞれのバッグにGPSの発信機が付いていることが分かって、『これはただ事じゃないぞ』となりました。

 確認のためにバッグを開けてみると、濡れないようにビニールに入った白い粉が詰め込まれていました。バッグ1個が60kgくらいだったので全部で420kg、覚醒剤とか麻薬ならとんでもない量です。海上保安庁にすぐに連絡して帰港しました」

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