「会社名を偽る」「持っていない資格を書く」シニア転職の現場ではびこる経歴詐称の衝撃実態
日刊SPA! / 2024年11月4日 8時53分
若手ならスキルだけでなく今後の成長への期待も大きいが、シニアに期待するのは即戦力だ。正確な戦力はわからないので、実務経験の有無や長さ、資格などで判断されやすい。それを偽るのだから「嘘をついて有能に見せた」とみなされる。
選考中に経歴詐称がバレれたのなら、不採用だけで済むかもしれないが、内定後の発覚では大問題になる可能性がある。内定取り消しや解雇はもちろん、損害賠償請求をされる可能性も。さらに民事だけでなく、軽犯罪法違反や詐欺罪など刑事罰の対象になる場合もある。
老後の転職・再就職が厳しくても、経歴詐称には大きなリスクとペナルティがあることを忘れてはならない。
◆単なるミスから犯罪レベルまで!様々な経歴詐称
私たちが提供するシニア専門の人材紹介でも、現在は途中のチェックで多くの経歴詐称を検知できているが、サービスを開始した序盤のノウハウが少ない時期には様々な経歴詐称騒動が起きた。軽い順に紹介していこう。
まず、故意ではないミスによる経歴詐称は今でも頻繁に発生する。社名や入退職年の誤記だけでなく、未記入、意味不明な記載もよくある。専業主婦期間を「調理」や「家事代行」の実務期間として記載するようなものも、ギリギリ故意ではないのかもしれない。
記載ミスは、指摘するとたいていの人はスムーズに正しい経歴を推してくれる。しかし、なかにはキレて文句を言い始めるような人もいる。「ほかにも故意に経歴詐称しているのでは?」と疑われやすいので、素直に訂正しよう。
実際よりもちょっと”盛ってしまう”といった詐称もよくある。過去の仕事でメイン担当ではなかったのにメイン担当と書いたり、プロジェクトの期間や規模を大きめに記載したり、受注金額などの成績を大きく記載するなどはありがちだ。面談・面接などで深く掘り下げるとボロが出て発覚する。
この程度も大きな問題にならない場合が多いが、信用を失うので当然やるべきではない。
その一方で、完全なる「経歴詐称」というレベルだと、会社名を騙ったり、資格や技能を騙ったり、雇用形態を騙るといった状態にまで達する。これらは完全にアウトだ。勤めたことのない大手の社名や重要な資格を堂々と詐称するケースはさすがにあまりないが、実際は持っていないマイナーな民間資格名を並べたり、パートだったのに正社員と書くなどは発生しやすい。
◆バレそうになって嘘を重ねた悪質求職者
最後に、サービスの黎明期、まだ経歴詐称のチェックに手こずっていた頃の大事件を紹介しよう。
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