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月収30万円以上なのに、3年間ネットカフェを転々とし続ける58歳男性。風呂にも半年入らず…“ゴミ屋敷”さながらの部屋で生活する理由

日刊SPA! / 2024年11月8日 8時54分

月収30万円以上なのに、3年間ネットカフェを転々とし続ける58歳男性。風呂にも半年入らず…“ゴミ屋敷”さながらの部屋で生活する理由

金子真一郎さん(58歳)現在はセクシー男優を廃業。生活するブース内はゴミ屋敷の様相だ

貧困問題の象徴「ネットカフェ難民」という言葉が’07年に生まれ、その後東京都の一斉調査で都内に4000人いることが判明してから6年。現在、問題視されているのが、長期化だ。出口の見えない実態に迫る。
◆生活と精神の荒廃により「ネカフェから出られない」

金子真一郎さん(58歳)はかつて「観念絵夢」の名でM系セクシー男優として活躍していたが、’21年に覚醒剤使用・所持で逮捕。懲役3年、執行猶予1年6月の判決を受けた。それを機にアパートを追い出されて以来、ネットカフェを転々としながら日雇い労働をする生活を3年間続けている。

現在の寝床を訪ねると、狭いルームの中はまるで“ゴミ屋敷”さながらだった。風呂には半年間入っておらず、2年間ずっと着ているという服は擦り切れてボロボロだ。

「ネカフェのシャワーは350円もして高い。夏に近くの寺で水浴びする程度だね」

現在のネカフェの利用料は1週間で1万5000円。食費は一日300円未満に抑え、その他の出費はほぼない。ただ、日雇いの賃金は1万円以上で、月収30万円以上は稼いでいるという。にもかかわらず、ネットカフェに暮らし続ける理由は何なのか?

「もともとカネを使うことに興味がなくて、カネをもらってもそこらへんに捨てちゃう。財布だって3年間中身を見てないし、ネカフェ代や食費で小銭を使う以外は、自分が今いくら持っているのかもわからない」

彼の財布を見せてもらうと、お札が数枚入っているものの、長い放置で束になって固まり、剥がせないほどの状態だった。

◆実家にも居場所はない

また彼の知人曰く、住んでいたアパートを片付けに訪れると、紙幣がゴミとともに散乱していたという。そうしたお金を嫌う姿勢には、確執のあった亡父の影響もあるようだ。

「ヤツはカネが大好きだった。だから俺はカネが嫌いなんだ」

そんな金子さんを兄弟たちは白眼視し、実家にも居場所はない。

「今の境遇は修行みたいなもん。あと、俺はM気質だからさ、ツラくてもやめることができないのかもね。正直、何のために生きているかわからない。不慮の事故で死ねないかなと、常に思ってる」

ただ、そんな彼の唯一の趣味は、「自身のYouTubeチャンネル運営」だという。困窮しながらも動画配信を通じて、社会との繋がりを求めているのかもしれない。

◆社会との繫がりがネカフェ生活長期化を防ぐ

ネカフェ難民問題が可視化されて間もない’07年、その生活を体験したルポ『ネットカフェ難民』を執筆した編集者の川崎昌平氏。彼は近年の状況を次のように分析する。

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