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義実家に行って「“2階の女性”に向けた手紙に絶句」…義父母が認知症を患った51歳女性の選択

日刊SPA! / 2024年11月9日 15時54分

義実家に行って「“2階の女性”に向けた手紙に絶句」…義父母が認知症を患った51歳女性の選択

介護に悩む島影真奈美さん(51歳)/夫婦・子なし/要介護の義父母

人生100年時代の折り返し地点で、人は多くの問題に直面する。親の介護や病気、夫婦仲の冷え込み、子供の問題……。クリアが困難な“無理ゲー”の数々をどう解決すればいいか? 令和の家族メンテナンス法を探った。
◆きっかけは義両親からの電話だった

介護のなかでも最も負担が重いとされる認知症患者。老年学研究者でライターの島影真奈美さん(51歳)は、’17年に義父母が揃って認知症を発症する問題に直面した。

「突然、義母(当時80代)から『自宅のお金がなくなった。息子が盗んだんじゃないか』と電話が来たんです。さらに『知らない女性が住み着いてる』とも言う。義父からも、姿は見ていないけど女性が2階にいると力説された」

◆すぐに認知症を疑った結果…

介護現場を何度も取材していた島影さんはすぐに認知症を疑い、物忘れ外来の受診を勧めた。義父母に「医師から『認知症ではない』のお墨つきがもらえたらプラスに働く」と提案すると快諾したという。

「最初の診断では認知症の診断は出なかったのですが、自宅には『物を盗るのはやめてください』などと“2階の女性”に向けた手紙があちこちに貼られていて絶句……。高齢者の健康・生活全般の相談窓口である地域の包括支援センターの助けも借りて再受診して要介護認定をもらったのです」

◆夫と真剣に離婚を考えたことも

親の介護は実子が主導することが多いが、島影さんは自ら介護のキーパーソンに。

「夫は以前から『親の面倒は見ない』と義父母に伝えていて、私にも繰り返し『無理しなくていい』と言っていました。でも、そう言われても気がラクになるどころか、ダメ出しされているように感じてしまい、真剣に離婚を考えたこともありました……」

次第に、島影さんは追い詰められることに。そんな自分の状況を自覚したきっかけは地方出張だった。

「何かあっても駆けつけられない場所まで離れてみて、初めて『私がいなくても何とかなる』と気づきました。“私がやらなきゃ”と思い込みすぎていたんだなとも。そこから少しずつ、夫などに助けてほしいと言えるようになりました」

◆一人で抱え込まないことが介護では大事

その後、’20年に肺炎を患って義父は他界。現在、介護付き老人ホームで暮らす義母のもとに島影さん夫婦は月1ペースで通い続けている。

「介護で大事だと感じたのは、一人で抱え込まないこと。SOSを出す練習、受け取る練習が必要だなと思います。介護する側にとっては“突然”でも、要介護者が以前からSOSを発していたというケースは多い。実際、介護が始まる少し前、義父から『銀行印がわからなくなってしまった』と相談されていたのに、『私もよくあります!』と笑い飛ばしてしまった。この介護経験を生かして、実の両親とは毎週1時間、Zoomで話す機会を設けています」

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