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マレーシアに移住した50代男性が見た地獄。4000万円で購入したコンドミニアムのせいで「破産するかも」

日刊SPA! / 2024年11月11日 8時54分

 購入から10年以上が経ちましたが、美濃田さんはいまだに期待していたような収益を得られずにいます。

「現在もローンを返済している状況ですが、家賃として得られるのはわずか15万円程度。日本の貯金を切り崩して何とか返済をしている状況です。さらに、ジョホールバルの物件価値が上がらないため、売却しようにも買い手も見つからない状態が続いています」(美濃田さん)

 たしかに、ジョホールバルはシンガポールまでのアクセスはよいものの、開発の計画が遅れたり、最悪の場合中止したケースもあります。

 美濃田さんが「このまま好転することがなければいずれは破産するかもしれません」と吐露していたことが印象に残っています。

◆「金銭面に問題がないパターン」にも落とし穴が

 ここまで紹介した3人の事例はどれも金銭面に関連する移住の失敗でした。では、金銭面にさえ気をつければ移住は成功するのかというとそうではありません。海外はやはり日本とは文化、習慣、天候などさまざまなことが違います。この違いによって移住を後悔することもあるのです。

 マレーシアに移住した65歳の鈴木さん(仮名)という女性はその一人です。鈴木さんは楽園のような生活を夢見て夫婦での移住を決断しました。しかし、住み始めてから早々に大きなストレスを感じるようになります。

「日本人に比べて約束の時間を守らない、割り込みなど公共の場でのマナーが悪い、などちょっとしたことで苛立ちを覚えました。それに想像以上に英語力が必要でした」(鈴木さん)

 さらには鈴木さんの夫が病気になってしまったことも追い打ちとなります。

「日本は国民健康保険もあり、医療費はやすいですし、病院で安心して通えます。しかし、現地の医療水準が低かったこともあり、夫と日本に一時帰国をして治療を受けることにしました」(鈴木さん)

◆移住費用がパー。貯金を切り崩して生活することに

 こういった生活への負荷から、3年間のジョホールバルでの生活を経て鈴木さん夫婦は日本への帰国を決意しました。

「移住費用に加え、帰国してからの新居探しなど金銭的にも想定外の損失となりました。いまは、経済的な不安を抱えつつ貯金を切り崩して生活しています」

 老後はあたたかい東南アジアで海外でのんびり生活を……と思っている高齢者の方には鈴木さん夫妻のような失敗談は耳の痛い話ではないでしょうか。

 では、海外移住を後悔しないためには何が必要でしょうか。彼らのエピソードを通じてわかるのは、いきなり移住するのではなく、現地での短期滞在を経験すべきということです。特に現地での文化や慣習は旅行だけではわからないことがあります。最低でも季節を変えて3度、一ヶ月は滞在すべきです。

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