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佐々木朗希「ポスティング狂騒曲」に不満噴出。同じ23歳で移籍した大谷翔平との“決定的な違い”

日刊SPA! / 2024年11月13日 15時51分

 ただ、ロッテも佐々木も今回のポスティング容認はルール違反でも逸脱しているわけでもない。金銭的には2年待つことが両者にとってメリットが大きいはずだが、佐々木自身もマイナー契約からスタートするという、いばらの道を選択した。

 それでも佐々木に対する批判の声が大きいのは、プロ野球がメジャーリーグの草刈り場のイメージをより強くしてしまうからではないか。ただ、それは両リーグの選手層のレベル、年俸格差を考えれば仕方のないところ。それはまた別の次元の話といえるだろう。

◆サッカー界に定着した“レンタル移籍”が可能なら…

 そこでポスティングに代わるメジャー移籍の考えを一つ提案してみたい。それがサッカー界で長年定着している「期限付き移籍」、「レンタル移籍」の導入である。

 今回の例でいえば、ロッテとの契約を保持したまま、佐々木がメジャーのチームに移籍できるというもの。移籍金はあってもなくてもいいが、年俸を負担するのはあくまでも移籍先で、その10~20%が移籍元のチームに入る。

 高卒2年目でも3年目でも、球団と選手が合意すれば、メジャーへの移籍を認めればいい。ただ、あくまでも“レンタル”という前提があるため、FA権を取得する年齢まで所属するのは移籍元だ。

 年俸の一部を移籍元に還元するのはFA権を取得する年齢まででいいだろう。その年齢に達すれば完全移籍(=FA)とするのがベストか。

◆“第二の佐々木”が生まれるのも時間の問題か

 現行のポスティング制度では譲渡金が“手切れ金”のように扱われ、25歳未満と25歳以上の差が大きすぎる。レンタル移籍ならその差も埋められるはずだ。

 奇しくも野茂英雄が近鉄ともめた1994年オフからちょうど30年。メジャー移籍に関するルールは幾度かの変遷の歴史を辿ってきた。ポスティング制度の見直しはプロ野球のみならず、メジャーリーグを巻き込むことになるため、数年単位の議論は不可欠だろう。ただ、現行制度では“第二の佐々木”が生まれるのも時間の問題だ。

 日本の球団、メジャーを夢見る選手、そして我々ファン。“三方よし”となる解決策は果たしてあるか。

文/八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

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