熊本県「天然地下水100%が企業誘致の呼び水」に。行政が“サウナ振興”に取り組むワケ
日刊SPA! / 2024年11月14日 15時51分
また、老舗旅館の別館に昨年オープンした「湯屋水禅」(同区水前寺)も野口課長の一押し施設。熊本出身の放送作家・小山薫堂さんが「湯道百選」に選出し、和のテイストを打ち出して、木材がふんだんに張り巡らされているのが特徴。サウナストーンには、阿蘇の溶岩石を使用し、火の国の熱気を全身で受け止められる。
◆熊本地震が契機に
ツアーでは、“サ飯”もセッティングされる。「熊本のソウルフードともいえる『弐ノ弐』の餃子を食べてもらいますね。サウナ後に一杯やるのにちょうどいいつまみなんです」(野口課長)
サウナ施設が勃興している熊本。ベテランサウナーの野口課長が振り返る。
「ローカルのいいサウナもたくさんあります。いまも地元の方に人気の田迎サウナ(南区良町)は番頭がいなくて入浴料だけを置いていくほのぼのとしたシステムなんですけれど、とても清潔でサウナも居心地が良い施設。ただ、銭湯サウナがどんどんと減ってしまってきていまして……」
しぼみゆく熊本のサウナシーンだったが、機運を変えたのが熊本地震だった。
「温浴施設は軒並み損害を受けました。ただ、サウナブームの折だったこともあり、湯屋水禅のように補助金をもとにサウナを充実する施設も多く、サウナ環境が充実しました。また、市内では、プライベートサウナのカミノウラ307(中央区南坪井町)といった新施設のオープンも相次いでいて、水の良さもあいまってサウナーから注目されるようになりました。そんな流れもあって、サウナをPRした企業誘致を4年ほど前から始めたんです」(野口課長)
◆湯らっくす周辺は「熊本シリコンバレー」に
昨年に熊本市に進出したスタートアップ企業は約30社。その多くが進出の決め手の一つとしてサウナを挙げているという企業もあるとかないとか。
「ベンチャー系の起業家はサウナ好きが比較的多いんですよね。IT関連、WEB回りの仕事の方が湯らっくすの近くにオフィスを構えて、周辺の平成地区は『熊本のシリコンバレー』なんて呼んでる人もいます。福利厚生で、『湯らっくす入り放題』の企業もあるようです。また、サウナハットといったグッズ制作、プライベートサウナ経営などのサウナ関連業者さんも増えていますし、サウナが熊本を活気づけています」
未曽有の自然災害で手痛いダメージを追った熊本。しかし、自然はまた、豊潤な地下水という恵みをもたらし、火の国のサウナ振興を大きく下支えしている。
取材・文/吉田光也
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