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「何もしなくても毎月2万円」怪しいバイトの正体は?記者が潜入、ブローカーの男に追及した結果

日刊SPA! / 2024年11月14日 15時54分

「何もしなくても毎月2万円」怪しいバイトの正体は?記者が潜入、ブローカーの男に追及した結果

今回はLINEグループ経由での勧誘だったが、Xでも同様の募集は見られる。それだけ名義貸しに需要があるのか

一般的な仕事の日給・時給を大幅に上回る報酬が提示される怪しい高額バイト求人。現代はSNSだけではなく、求人サイトにも闇バイトが紛れ込んでいると聞くが、手を出せばどうなるか。記者が謎バイトに応募した!
◆「歩くだけで1万円」の高額バイトの正体は……

職場、友人、家族、無料でやり取りできるLINEにおいて、複数とやり取り可能な“グループ化”は欠かせない。

記者Aがネタを得るために加入した「歌舞伎町界隈」で、こんなバイト募集が投稿された。「緊急募集、歩くだけで1万円」。発信源のアカウントは、歌舞伎町のスカウトマン。

9月末、現地に行けば……希望者が殺到し、会場は危険な雰囲気だ。結果は“反ワクチン”を謳うデモのサクラ。記者は3時間練り歩き、結果、柔道の阿部一二三選手似の20代とおぼしき男性に現ナマで1万円を支給された。

◆実働5分。アカウントの貸し出しで毎月2万円

ほかにも“カネ”の匂いがする、怪しいLINEグループは多い。水商売系、投資系……筆者も10月初旬、見知らぬ人物から“副業系”のグループに招待され、「何もしなくても毎月2万円の定期収入が受け取れます!」と何とも怪しい誘いが届いた。

そのグループには「健康診断を受けるだけで10万円」「海外出稼ぎで100万円」など芳ばしい高額バイト求人が頻繁に投稿される。毎月2万円の定期収入も本当ならおいしい話だが、実態はどうなのか。

話を聞いてみると、フードデリバリーサービス「出前館」の名義貸し。自身の身分証・写真を使い配達員登録を行い、そのアカウントを外国人に貸す形態だった。投稿主に詳しく聞けば、彼は外国人にアカウント売買を行うブローカーのよう。かつてUber Eatsでも同様の商売を行っていたが、規約が厳しくなり、注文時に配達員の顔写真が表示されない仕組みの出前館(10月現在)にきたそうだ。

◆「簡単な仕事」とアピールするブローカーに追及してみると…

「外国人の方にアカウントを貸す形になりますので、実働はありません。報酬が支払われましたら謝礼の2万円分を引いて振り込むだけ。5分ほどでできます! 簡単です!」

ブローカーの男はやけに簡単だとアピールしてくる。しかし、外国人労働者は自身のアカウントではないため、トラブルがあれば、名義を貸しした本人に請求が来るだろう。そのことを追及した途端に返事がこなくなった。どうやらブロックされたか? 

不労収入と思いきや、返ってくるのは負債かもしれない。

◆「詐欺罪」や不法就労の「幇助」に問われる可能性も

危険度:★★★★
名義貸しで生じた不利益は本人の責任になるだけでなく、運営会社からの損害賠償請求や、別人であることを隠して利益を得る行為は刑法上の「詐欺罪」や不法就労の「幇助」に問われる可能性も

【弁護士・佐久間大地氏】
大地総合法律事務所 代表弁護士。詐欺被害救済に積極的に取り組み、情報発信を行う

<取材・文/週刊SPA!編集部>
※11月12日発売の週刊SPA!特集「怪しい[高額バイト求人]の正体」より

―[怪しい[高額バイト求人]の正体]―

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