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「歯医者に行ったら歯が悪くなった」“年に1回の歯科検診”思わぬ落とし穴

日刊SPA! / 2024年11月15日 8時52分

歯科医院によっては、検診で見つけたむし歯は全て治療しましょうと提案があることも考えられます。

検診では、どうしても「今あるむし歯」に焦点が当てられます。どんどんむし歯を見つけてどんどん治療を行う。確かに、治療を行わなければならないむし歯はしっかりと治療を行わなければいけません。

とはいえ、初期のむし歯を早期に治療することは、その歯の寿命を縮めてしまう行為です。経過観察の意味合いを「ただの放置」に変えてしまう恐れがあるので、結果としてその歯の寿命を縮めてしまうのに他ならない行為なのです。

本来であれば今あるむし歯に向き合った上で、これからのむし歯をどう予防していくかということに焦点を向けなければならないものの、国民皆歯科検診のみでは難しいものと予想されます。歯科医院と患者自身が、どれだけ予防に対して知識と理解があるかが問われてくる施策でもあると私は考えるのですが、今の日本のデンタルIQはまだ他の先進国と比較して高いと言えるものではないと思います。

こうした”むし歯治療の洪水時代”が到来することは被せ物、入れ歯もどんどん増やす原因となり、結果的に歯がない人を増やしてしまう恐れもあるのです。

◆歯周病の正しい理解を得るか、年に一度の歯石取りの快感を得るのか

歯周病は今や国民病であり、毎日歯周病の患者さんで歯科医院の予約は溢れていると言っても過言ではありません。歯医者に行くことが億劫だった人が、国民皆歯科検診をきっかけに歯科医院に行き、自分のお口の中の状況を正確に理解して、歯周病に関する事柄を正しく理解して治療に臨めるようになる。患者さんの意識が変わって、歯科医院としっかりと協力関係を結べるなどの行動変容が起きたとしたら、国民皆歯科健診は成功と言えると思います。

しかし、検診結果をあまり理解しないまま、歯石の除去のみを受け、また来年も検診を受けた際に歯石を除去しようと思って帰ったとしたら、これは大失敗です。

むし歯や歯周病は、お口の中の歯周病菌を減らし、どれだけ歯周病の進行を止められるかが重要となります。1年に1回の検診と歯石除去だけでは、毎年歯医者さんに自分の歯周病がどれだけ進行したのかを見せに行っているだけです。

歯周病は進行抑制のために、症状や進行程度に応じた間隔で検診、治療を受けなければならないため1年に1回のみの来院では進行抑制や改善は期待できません。

◆“その場しのぎ”では意味がない

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