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“大事に育てた娘”の彼氏は、51歳の見覚えがある男…「娘は私たちを裏切りました」絶望した父親の苦悩

日刊SPA! / 2024年11月16日 8時52分

 百合さんは若干の反発を見せながらもその言いつけを守ったという。アルバイトに行くときは仕事の制服を着ている写真を送り、サークルの集まりがあっても門限を守って帰宅した。

◆“嫌いな同僚”が娘の肩に手を…

 大学の卒業間近のことだった。娘さんから斎藤さんにメールが届く。

「サークルの打ち上げで遅くなります。車で送ってもらうから安心して」

 添付されていた写真を見て心臓がキュッと締まるような気がした。居酒屋と思われる場所には男女数十人がいる。そこに見覚えのある男がいた。その男は自分の娘の隣で笑顔でピースをしている。もう一方の手は、娘の肩に手をかけている。

 間違いなかった。その男の年齢は斎藤さんと同じ51歳。人を小馬鹿にする、女好きの男だ。自分の大嫌いな男だった。

「嘘かと思いましたが、会社の同僚だったんです。違う部署ですが、当然話したこともあります。まさかと思いましたが」

◆「付き合っている」と聞き、激高してしまう

 斎藤さんはすぐに娘に電話をし、一緒に写っている男について言及した。聞けば、その男はサークルのOBだという。

「お前、そいつと付き合っているのか」

 娘さんは誤魔化そうとしたが、父親の前では嘘がつけない性格だった。すぐに観念し、付き合っていることを報告した。

「私はカッとなってね、リビングを歩き回りながら、電話越しにずっと怒鳴っていました。娘が帰ってくると、玄関でビンタです。手を出したのはその時が最初で最後です」 

 娘に注いだ愛情や情熱がすべて無駄だったのかと思えた。身を粉にして働いて、命を削って娘を育ててきたはずだった。その結果がこれだ。何十年も愛してきた娘が、自分の嫌いな人間に奪われる。これ以上の屈辱はあるのか?

「それで、実はその日から私は娘に会っていません」

◆あれから一年経ったが、今でも…

 娘さんは追い出されるような形で実家を出て、都内のマンションで一人暮らしを始めた。それからもう一年が経つという。

「妻と娘は会っています。別れたという報告がないから、まだ付き合っているんですかね。怒りは静まりましたけど、結婚を認めるつもりはありません。自分が間違っていることに早く気づいてほしいんです。これは親に対する裏切りですから」

 裏切りとは、期待に対する失望のことだろうか。愛情が強すぎるゆえ、その反動は大きいのかもしれない。

「裏切られましたね。はい、娘は私たちを裏切りました」

 斎藤さんは裏切りという言葉を強く発した。まるで自分に言い聞かせているように私には聞こえた。
 
<TEXT/山田ぱんつ>

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