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あおり運転をした“ヤンキー仕様の車”が返り討ちに。高速道路で覆面パトカーに連行されるまで――仰天ニュース傑作選

日刊SPA! / 2024年11月16日 15時45分

 原田さんの友人は、「彼、笑ってる! 早く逃げて!」と叫んだ。しかし、アクセルを踏み込んで逃げたところで、彼の運転テクニックは原田さんたちよりも上。“すぐに追いつかれてしまうので無駄だろう”と思っていたと振り返る。黒い車の運転手は、窓を開けて何かを叫んでいたが、原田さんは“あること”に気づいていたという。

◆覆面パトカーらしきクラウンに希望を託す

「後方に白い覆面パトカーらしきクラウンの姿が見えていました。そのクラウンに希望を託すほかなかったです。ちなみに、黒い車はクラウンには気づいていなかった。ただ、私たちがスピードを出して捕まったら元も子もないので、視界の隅にクラウンを確認しながら、徐々に黒い車へ近づかせるための絶妙なアクセルワークが求められました」

 そして、次の瞬間——。クラウンのパトランプが光ると、「そこの黒の車、付いてきてくださーい」。黒い車はみるみる減速していき、パトカーに誘導されて近くのパーキングエリアに消えていった。

 その後、黒い車と遭遇することはなく、無事に目的地に着いた。原田さんは「あの日、私の運転スキルはグッと飛躍したと思う」と苦笑いだった。

◆明らかにあおってくるトラック運転手

 主に木材をダンプトラックで運搬している山本憲司さん(仮名・30代)。普段は下道を使用するのだが、その日は片道2時間かかる場所だったため、高速道路を走行していた。

「いくら高速道路とはいっても、重い材を積んでいるのであまりスピードを出せません。なので、左車線を走行するようにしていました」

 そこに、後方から大型のダンプトラックがかなりのスピードで近づいてきたという。山本さんは、「嫌だな」と思いながらも、荷物を安全に運搬しなくてはいけない状況のため、そのままのスピードで走行を続けることにしたそうだ。

「横から追い越してくれるだろうと考えていました。しかし、運転手はしつこく私の後ろに付き、明らかにあおってきたんです」

◆危険なスピード競争に巻き込まれないように必死

 山本さんは「冷静さを保ち、スピード競争に巻き込まれないように」と必死だったという。だが、相手の運転手の危険な運転はますますエスカレートした。

「彼は、急かして近づいては私の車にぶつかりそうになり、ヒヤヒヤしながらの運転が続きました。私は、できる限り安全な距離を保っていたのですが……」

 その後も容赦なく「あおり運転」は続き、周りの車の運転手たちもトラックの危険な運転に困惑していた。やがて、高速道路のトンネルに差し掛かった。

 トンネル内はスピードが制限されている。山本さんがスピードを落として、慎重にトンネル内に進んだそのとき……。予想外の光景を目の当たりにする。

「大型ダンプが、まさに私を追い越そうとした瞬間、パトカーが現れたんです。警察官が大型ダンプを停止させ、違反キップを切られる姿を見ました」

 高速道路上でのあおり運転が原因で、死亡事故も起きている。どんな場面でも冷静に、くれぐれも自分自身が被害者、加害者にならないように注意が必要だ。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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