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「焼肉ライク」がまさかの店舗数減。食べ放題チェーン「焼肉きんぐ」と分かれた明暗

日刊SPA! / 2024年11月22日 15時53分

 おひとりさまの孤食が注目されつつあるなか、コロナ禍の外出規制で孤食ニーズに対応した店がより増加した。その中で、1人焼肉文化を流行らせた「焼肉ライク」はどこよりも積極的に展開し、一時期100店舗を超えたが、最近は84店舗(24年7月時点)と縮小している。

 客単価向上に向けた商品政策で、節約志向の人が増えるなかで、焼肉ライクが安さを求める1人客のニーズと乖離してきた感は否めない。しかし、同社のような革新的業態が勢力を拡大するうちに、低価格を維持できなくなり、後発の同コンセプトの店に追随され、淘汰されるのは小売・外食の世界ではよくあることだ。今後の展開を注視したい。

◆中国や韓国に買い負ける日本

 焼肉チェーン店は店舗数を増やすと、大量仕入れによるコストダウンでお客様に安くお肉を提供できるという強みが昔はあった。しかし、アメリカ牛も日本だけが上得意客ではなくなり、経済発展して肉食文化が急速に浸透した中国や韓国などに買い負けているのが実情であり、しかも円安と物流コストの上昇で仕入れ環境は最悪だ。

 焼肉食べ放題店も、売上は前年を上回っているが、これは値上げによる客単価アップが要因で、客数は伸びていないところも多い。売上を向上させるためには、①客数を伸ばす、②客単価を上げることが必須だが、1組あたりの客数を伸ばしながら、客席回転率を高める方策が求められる。

 物価高騰の中でお客さんに合理的で納得される価格設定での訴求力が必要であり、ステルス値上げや便乗値上げと揶揄されないようにしていかねばならない。

 焼肉店の初期投資額は他の業態と比較すると高額だが、客単価が高く、利益率が高いから投資回収速度は早めが一般的だ。資金回収をあまり焦らずに、適正利潤の確保を徹底し、顧客との良好な関係の構築に努めないといけない。

<TEXT/中村清志>

【中村清志】
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan

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