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孤独死した弟(51歳)の荒廃した部屋に胸が詰まって…見守りサービス運営者の痛恨――仰天ニュース傑作選

日刊SPA! / 2024年11月24日 15時45分

――逆に、亡くなってしまっていたケースもありますか?

紺野:今までに4件あります。

――病気や突然死、セルフネグレクトなどですか?

紺野:そうでない場合もあります。2021年の3月には、大分市に住む50歳の女性が亡くなられました。配信に対し、必ずすぐに返答をくださる几帳面な方でした。返答がないため、近親者登録されている東京在住の叔父に電話しましたが、何もできないとの回答でした。仕方なくもう1件の近親者として登録されている市の生活福祉課に電話をしました。

 しかし、弊サービスをご存知なく説明しても話が噛み合わないため、「ホームページを見てくれ」と言って電話を切りました。数時間後、職員が訪問したのでしょう。大分東警察署からの電話で、首を吊って亡くなっていたと聞かされました。自殺だったのは大きなショックでした。

◆人間の尊厳を保つ見守り

――見守りがあっても、救えないこともあるのは辛いですね。

紺野:孤独死自体を防ぐのは、無理だと思っています。こうした自殺もそうですし、一人暮らしをしている方が、自宅で突然死してしまうこともあります。

――不可能だと思っているということは、見守りには他の目的があるということでしょうか?

紺野: 孤独死の問題は、長期に渡り発見されないことです。亡くなって放置していれば身体は腐って体液が流れ出して溶けてしまいます。周りの住民が異臭によって通報する。このサービスで、人間の尊厳のためにもそうなる前に早く誰かに異変を伝えるということです。長期間放置された場合、ご家族や近所の方や不動産屋など、誰も喜ばないですよね。

◆今後の展望は?

――もっと広まって欲しいサービスだと思いますが、今後についてお聞かせください。

紺野:このサービスが行政が提供する社会を目指しています。現代は、人や地域のつながりが希薄になっていますが、こうしたツールを活用して、個人の見守りと単身高齢者にはグループLINEの活用によって、地域で互いが支え合える関係性を構築することができます。

 地域社会の改善や地域コミュニティ創出に向け、高齢化が進む集合住宅の自治会や地域社協などで、この「見守りシステム」の導入が始まっています。これは、私にとっては挑戦なんです。

 まだまだ認知度の低い現役世代の孤独死。しかし実は、ひとりひとりの身に喫緊の問題として迫っている。このサービスが広まり、一人でもおおくの命と尊厳が守られることを強く願う。

<取材・文/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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