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「早期退職して大後悔…」肩書と給与は上がった55歳男性、半年後に待ち構えていた“悲劇”

日刊SPA! / 2024年12月4日 8時53分

「早期退職して大後悔…」肩書と給与は上がった55歳男性、半年後に待ち構えていた“悲劇”

写真はイメージです

 最近、特によく目にする早期退職を募るニュース。表向きは、企業の収益力改善や事業基盤の強化など、前向きな文言が並びますが、本当のところは業績の悪化が主な要因ではないでしょうか。今回取材に応じてくれた男性も、そんな早期退職制度に応募した一人です。
◆寝耳に水の早期退職募集

 中堅医療機器メーカーで営業一筋の田村さん(仮名・55歳)。下戸にもかかわらず、営業成績を上げるために率先して飲み会に参加し、10年連続営業部門の売上高1位という記録を樹立した会社人間です。そんな田村さんがある日、出社すると、驚きのメールが舞い込んだといいます。

「朝一番にいつもパソコンのメールチェックをするのですが、その日最初に受信したメールのタイトルが『早期退職者募集のお知らせ』でした。対象年齢は50歳以上で、勤続10年以上と、ばっちり私は条件にはまっていました。その時は、あくまでも”募集”という認識だったので、あまり気にせずその日の業務に入ったことを覚えています」

 ただ、意外にも早期退職に興味を持つ同期も少なくなかったそうです。

◆得意先の社長からの誘い

 早期退職には全く興味がなかった田村さんですが、ある日、付き合いの古い納入先の会社を訪問した際、そこの社長に思いがけない言葉をかけられたそうです。

「そこは、私が新卒で入社して初めて任された会社でした。いつものようにオフィスを訪れると、社長が開口一番に『田村くん、あんたのところ早期退職の募集やっているらしいじゃないか。よかったらうちに来ないか?』と言われました。あまりにも唐突すぎて『あ、はー』と、曖昧な返事しかできませんでした」

 ただ、この得意先の社長はかなり本気で、全く興味がなさそうな田村さんに、改めて熱烈なラブコールを送ってきたそうです。

「納品が終わって帰社しようとしたら、社長にまた呼び止められました。なんと、転職してくれた暁には取締役営業部長として迎えたいと言うのです。給与も現行の2倍強は約束するとも言われました。そこまで具体的な話をされ、ようやく真剣に考えるようになりました」

 その夜、家族にも相談して十分話し合った末、早期退職に応募して、得意先の会社へ転職することを決めたと言います。

◆最初の半年は夢のようだった

 今までは出世にあまり恵まれなかった田村さん。それが転職後は役職付きの営業部長というかなりのレベルアップに戸惑いも感じながら、今までには味わえなかった優越感や満足感に包まれた夢のような日々を過ごしていました。

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