「暴走族の忘年会」取材で起きたまさかのトラブル。現場は“地獄絵図”に――仰天ニュース傑作選
日刊SPA! / 2024年12月22日 8時44分
◆我に返って頭を下げる幹部「壊れたものは全て弁償します」
私はカメラマンに「カメラを回してると、どんどんエキサイトしていくんでカメラを止めて!」と指示して、幹部にも「このままでは大事になってしまうので、ティーンズロードにも載せるわけにはいきません」と伝えました。
そこからは、ようやく冷静さを取り戻したようで現場も落ち着き始めました。そして、屋形船は岸に戻ってきました。
幹部たちは屋形船のスタッフに謝罪して「迷惑をかけてすみませんでした……壊れたものは全て弁償しますんで勘弁してください」と頭をさげていました。
新人メンバーたちも軽いケガで済んだようで、私たちもホッと胸をなでおろして、屋形船から降りました。本音としては、すぐにでも現場から立ち去りたかったのですが、じつはこの後、恐怖の第二弾が待ち受けていたのです……。
ふと横を見ると、そこには「酒樽」が置いてありました。
◆日本酒を無限に飲まされる編集長…
幹部や先輩をはじめ、チームのメンバーがそれを囲むと「今日はティーンズロードの皆さんが来てくれたんで、代表して編集長に升酒を飲み干してもらうから、みんなよく見とけよ!」というのです。
当然、断れる雰囲気ではありません。もしもここで私が飲まなければ、他のスタッフが代わりに飲まされるかもしれないと思い、
「皆さん、今日はありがとうございました!それでは頂きます!」
と、樽からすくった升酒を一気に飲み干しました。「ようやくこれで帰れる」と思ったら、まさかの展開が続きます。
「さすがはティーンズロードの編集長! 飲みっぷりがいいっすね~! じゃあ、もう一杯お願いします!」
いくらお酒が好きな私でも升に入った日本酒を連続で2杯も飲むことはそうそうありません。しかしここで断ったら場の空気が悪くなると、2杯目も一気に飲み干しました。
結局、同じやりとりが7~8回ぐらい続き、最後にはガタイのいい幹部の一人が「編集長、このままだとヤバいんでオレの後ろに隠れて静かに帰ってください(苦笑)」と、私に気を使ってくれる始末……。
ようやく開放された私とスタッフは、新人編集部員の運転する車で一目散に帰りました。いま振り返ってみると、色々な意味で「体を張った取材だったな」とつくづく思います。
帰り道で私は何度も吐きそうになり、車を停めて外でリバースしてしまったことを付け加えておきます。
<文/倉科典仁(大洋図書)>
【倉科典仁(大洋図書)】
伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。
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