焼肉食べ放題店の元経営者が明かす“裏事情”。注文されると「苦しい/嬉しい」メニューとは――ニュース傑作選
日刊SPA! / 2024年12月23日 8時43分
さまざまな業態を開発し、ターゲット客のニーズに合致した業態の仮説と検証をしています。過去も多くの業態を開発し、スクラップ&ビルドを繰り返しており、チャレンジ精神が旺盛な社風があることが推察されます。
◆ワンカルビと焼肉きんぐの違いとは?
ワンカルビは、2000年に1号店を大阪の堺に出店し、現在(24年3月25日時点)大阪の36店を中心に、90店舗展開しています(首都圏7店、関西68店、九州15店)。多品目食べ放題をテーブルオーダー形式にしたビジネスモデルを2006年から開始したパイオニア的存在です。競合する焼肉きんぐは、翌年の2007年からスタートしています。
ワンカルビと焼肉きんぐはターゲット層・メニュー・価格帯・提供スタイル・店舗面積など、ほぼ同じです。店舗数がワンカルビ90店舗に対して焼肉きんぐは318店舗(24年3月7日時点)と大きく差がついていますが、これは出店エリアを限定するなど、出店戦略の違いによるものだと推察されます。
会社沿革を見ると、もともとダイリキという精肉事業で創業されましたが、1993年に外食事業(炙屋を開業)にも参入し、外食部門と精肉部門とに会社分割を行いました。2008年に、外食部門の商号をダイリキからワン・ダイニングに変更し、精肉部門は、新設分割により新ダイリキとして設立しています。肉のダイリキは大阪を中心に49店舗を中部・関西・中国・四国で展開しており、特に大阪では有名です。
◆精肉店直営ならではの強みとは?
ワンカルビは創業50年が物語る蓄積された技術と対面販売にこだわり、高品質の肉を欲しいだけの量り売りを売り物にしています。お肉屋さんが垂直的多角化で焼肉店を経営して収益機会を多様化するのはリスクの低い成長戦略ですね。
牛豚肉などの調達力が強みの会社ですが、多種多様な業態を開発し、顧客ニーズの探索と最適な業態開発を懸命にされている企業イメージもあります。1人客をターゲットにした1人焼肉店も出店しており、ファミリー客をターゲットにしているワンカルビとは一線を画し、市場の棲み分けをしているようです。
焼肉チェーン店は大量仕入れによるコストダウンでお客様に安くお肉を提供できるという強みがあります。もちろん、希少部位においては大量に確保しようと思えば、逆にコストが上がってしまうこともありますが、大概はその利益を享受できるものです。ワンカルビは精肉店直営の焼肉店ならではの、安くて美味しいお肉の提供といった強みをいかんなく発揮していると思います。精肉店も経営しているから肉の購買でスケールメリットがあるのは当然ですね。
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