豪雨被害で27年春廃止に。津軽線の不通区間を巡ると「電車が走っていた頃よりも便利」に感じた
日刊SPA! / 2024年12月24日 8時52分
大川平駅。地元住民が手入れをしているのか、花壇には花が咲いていた
―[シリーズ・駅]―
22年8月上旬、東北地方を襲った豪雨の影響で土砂の流入や路盤・盛土の流出といった深刻な被害を受けたJR津軽線の蟹田―三厩間。
その後、復旧には最低でも6億円がかかること、JR東日本管内でも利用客が特に少ない区間であることから同社と沿線自治体の間で協議を重ね、27年春の廃止で調整していることがわかった。
◆代行バスとわんタクで廃止予定期間を巡る
そこで各メディアが報じた直後の11月中旬、津軽線の廃止予定区間の各駅、津軽半島最北端の竜飛崎を巡ってみることにした。
休みは1日しか取れなかったので前日夜に青森入りし、翌日の始発列車で青森からまずは蟹田へ。ここから先は、朝夕の4往復が代行バス、日中の4往復がワゴン車などによる『わんタク定時便』が担っている。
しかも、代行バスは終点の三厩駅にも停まるが、そこから1.3㎞先の三厩体育館の発着、わんタク定時便に至っては、三厩駅から約15㎞先の龍飛埼灯台まで行ってくれる。
しかも、ルート上であればどこでも自由に乗り降りが可能(※停留所以外での乗車は要予約)。さらにこれとは別にタクシー感覚で利用でき、定時便のルート以外のエリアにも対応している『わんタクフリー便』もあり、どちらも運賃は乗車区間に関係なく1回500円。
沿線自治体在住のマイナンバーカード所有者や75歳以上の方、JR津軽線(蟹田以北)区間を含むJRのおトクなきっぷ所有者は300円と少し安い。そこで今回は代行バスやわんタクを利用し、沿線の各駅を巡ってみた。
◆中小国駅~大平駅間
①中小国駅
黄緑色の平屋の建物が特徴の中小国(なかおぐに)駅には、現在も北海道と本州を結ぶ、貨物列車が行き来している。
実は、この駅と隣の大平駅の途中で津軽線と青函トンネル方面に線路が分岐。筆者の訪問時にはお目にかかれなかったが、運がよければ通過中の貨物列車を見られるかもしれない。
ちなみに駅には広い待合室があり、壁際には10人以上が座れそうな木造のベンチが設置。もう旅客列車の発着はないのに思った以上に室内はキレイだ。
②大平駅
駅の手前で線路が北海道新幹線の高架線と交差している大平(おおだい)駅は、駅舎の造りは中小国駅とほぼ同じ。また、大きな違いとしては、ホームの裏には保線車両用の車庫がある点だ。
この大平駅から徒歩10分ほどの場所には、世界遺産『北海道・北東北の縄文遺跡群』に指定されている大平山元遺跡と24年4月に完成した展示施設『むーもん館』がある。
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