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ラブホに「1日4回来店した」謎の女性客。部屋に残された“手書きメッセージ”の内容に驚き

日刊SPA! / 2024年12月28日 15時53分

◆矢口さん脅威の4回転にスタッフも限界

 ホテルの売上には貢献しているありがたいお客様ではあるものの、部屋の利用時間がたったの“15分”という『矢口』さんは、スタッフ泣かせな存在だったそうだ。

「ベッドメイクは、お客様のチェックアウト後すぐに部屋を清掃するのが基本です。清掃は大体15分から20分で終わらせるのですが、満室時はさらにスピードを上げなければなりません。

 そういう事情があるなかで『矢口』さんは、一度チェックアウトしても1時間以内に再び部屋を利用し、15分程度の滞在の後、再度チェックアウトするということを繰り返しているわけなんです。

 そのため、メイクスタッフは短時間のうちに何度も同じ部屋を清掃する必要があり、メイクスタッフの負担が大きくかかっていたんです。

 メイクスタッフからすると、『矢口』さんの利用方法は嫌がらせのように感じるようです。『〇〇号室、矢口さん入りました』とスタッフ間で連絡があるぐらいに警戒され嫌われる存在でした」

『矢口』さんのヘビロテ利用は続き、ある日、スタッフたちの堪忍袋の尾がプツリと切れたそうだ。

「一部屋だけあった空室に『矢口』さんが入り、いつものように15分でチェックアウト。10分で清掃を終わらせると再び『矢口』さんがその部屋に……というその繰り返しが、ある日なんと4回も続いたんです。

 流石にメイクスタッフの我慢も限界のようで、私は次に『矢口』さんが来店したときに、フロントスタッフとして文句のひとつでも言ってやろうと思っていました」

 天野さんが意気込んでいたそのとき、メイクスタッフがなにやらメモを片手にフロントに飛び込んできたそうだ。

◆迷惑客だけど……いい人?

「『矢口』さんたちがチェックアウトした部屋で見つけたと、メイクスタッフがフロントにやってきて、そのメモを私に見せてきました。

 そのメモには、『ホテルのみなさん。いつもすみません。お仕事がんばってください』と書かれていて、メモと一緒にアメが置かれていたのだそうです。『矢口』さんはすでに迷惑客として認定されていたので、そんな気遣いができる人だと思いませんでした。

 人間とは本当に単純で、そのメモを見た瞬間からあれだけ嫌っていた『矢口』さんが急に愛おしく見えてしまいました。メイクスタッフも同じだったようで、『矢口』さんが置いていったアメを舐めながら『案外悪い人じゃないかもね~』と言っていましたよ(笑)」

『いつもすみません』と書かれていたというのは、超短時間利用によるメイクスタッフの負担も察していたのだろう。

「それからしばらくして、『矢口』さんはホテルに来なくなりました。マッチングアプリでの男狩りから足を洗ったのか、ただ場所を変えたのか……。その後はわかりません」

 ――ラブホスタッフの天敵でありながらどこか憎めない、不思議なお客様のエピソードだった。

<取材・文=逢ヶ瀬十吾/A4studio>

【逢ヶ瀬十吾】
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。興味のあるジャンルは映画・ドラマ・舞台などエンタメ系全般について。美味しい料理店を発掘することが趣味。

―[ラブホの珍エピソード]―

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