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「2ならば1+1」は正しい?SNSで議論を呼んだ“中学2年生の疑問”に東大生5人が回答

日刊SPA! / 2024年12月29日 15時53分

 つまり、1+1も2+0も3-1も全部数値としては2になるのですが、「これらのどれかがよくて、それ以外がだめ」と答えるためには、一つ一つの式に違いがなくてはいけません。つまり、1+1と2+0と3-1を区別するような状況ならば、「1+1以外にも表現方法があるから偽だ」と答えられる。

 例えば、そのような命題としては、「x+y=2ならばx=1,y=1である」などがあります。この場合、xやyの中身は決まっておらず、条件もないため、「どんな数字を入れてもいい」といえます。

 そうなると、「いやいや、x=2,y=0とかのパターンもあるから、x=1,y=1と断じるには早計じゃないか」と反論でき、この命題は偽とわかる。

 もしも先生がこのような命題を想定していたのであれば、確かに偽であると反論するでしょう。

◆前提の省略を怠らないことが大切

 蓋を開けてみれば、結局「前提条件の確認があいまいなままで話を進めた結果のすれ違い」が原因と判明した、今回の騒動。

 今回は数学を基にして登場しましたが、このようなすれ違いは日常生活や仕事においても多々現れるはず。些細なすれ違いが、大きな騒動へ発展することも珍しくありません。

 今回の議論の発端も、結局「2ならば1+1である」という命題ではないものを命題として扱った結果。

「自分の中では当たり前に感じているものが、他人にとってはそうではないかもしれない」と常日頃から考え、前提の省略を怠らないようにすべきという教訓を得られました。

 ただし、元の投稿を拝見する限りでは、「2ならば1+1」と問題を提起したきっかけ自体、数学的なセンスに光るものを感じます。

 それもそのはず、投稿者はなんと中学二年生で数学検定一級を取得した秀才。素晴らしい才能を持つには違いありません。

 勉強しているがゆえに周囲とのレベルが合わなくなるジレンマはありますが、ぜひ今後とも数学の才能を磨いていっていただきたいと思います。

【布施川天馬】
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa)

―[貧困東大生・布施川天馬]―

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