「入れ墨で肌をもっと可愛くしたい」“高校を特待生で卒業した女性”が20歳で入れ墨を彫るまで――仰天ニュース傑作選
日刊SPA! / 2025年1月3日 15時45分
◆入れ墨の絵柄は「彫師に任せている」
20歳を過ぎた頃、氷華さんは尊敬する彫師のもとを訪れ、最初の墨を入れる。彼女にとって、入れ墨とは何なのか。
「おそらく、肌を見られることに抵抗があって、入れ墨で彩ることによってやっと人の前に立てているのだと思います。くわえて、私はインドアの根暗で収集癖があるんです。できるならば好きなものに囲まれてこじんまりと暮らしたい。絵も好きなので、気に入ったタッチの彫師さんの絵を、身体にコレクションしていく感覚なんだと思います。ちなみに、私の方から細かい絵の指定はしません。好きな彫師さんがそのときに私の身体に入れたいと思った絵柄を足してもらうことにしています。私の肌は、入れ墨によってどんどん可愛くなると思えるんです。私にとって入れ墨は、そういうポジティブな思いの表象なのかもしれません」
◆明け方の“場末のBar”で思わぬ出会いが
現在の職業である女王様へ導かれたのは、大学進学を棒に振り、いくつかの職を転々としていたときだ。
「サービス業をしていた時代、ライバル店にいたカツキさんという男性がいました。不思議な関係で、ライバルで始まった関係なのに友人でもあるという、腐れ縁です。2017年くらいのことだったと思いますが、彼がBarを出すというのでそこで働くことになりました。大阪では有名な、三ツ寺会館という、場末のなかの場末です。
その店は始発前後の時間になると毎回、スタイルの良い、セクシーなお姉様が数名で来店されるんです。驚いたのは、そのうち居合わせた客を即席の縄で縛り上げたり、いろんな“プレイ”が始まりました。カツキさんに聞くと、彼女たちはSM嬢だとわかりました。私は素直に、『かっこいいお姉さんたちだなぁ』と憧れました。するとお姉様たちも、『SMに興味あるの?』と水を向けてくれました。
ここまで入れ墨を彫っておかしな話ですが、私は痛がりだし怖がりだし、きっと叩かれるのは向いていないと思ったんです。そこで、女王様の道に進むことにしました」
◆洋服より、食事より、入れ墨で肌をもっと可愛くしたい
その後、大阪でいくつかの店を経験したのち、上京。大阪時代にはさらに高いレベルのサービスを目指してSMの講習会に自費で参加するなど、意欲的に活動した。氷華さん自身、そうした生真面目さをこんな場面でも自覚する。
「入れ墨を彫る理由としてよくあるのは、リストカットやアームカットの痕跡を消すためというものですよね。ただ、私の場合、痛がりなうえに怖がりで、自傷行為なんてもってのほかなんです。身体の傷を隠すために彫った入れ墨といえば、右手の親指から手首に沿って入っている模様でしょうか。SM嬢の仕事で前立腺を攻めるプレイをやりすぎた結果、腱鞘炎になってしまったんです。そこにお灸をやったら火傷のようになってしまって、不格好なので入れ墨で誤魔化しています(笑)」
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