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「成績表作成がつらい」教員が苦労を訴えるワケ。「内容に納得いかない」保護者からのクレームも

日刊SPA! / 2025年1月3日 8時52分

成績表の書式や項目は学校ごとに違い、最終的には校長が決定します。

友人が勤務していた学校では、「学習所見」「道徳の所見」「外国語活動の所見」「総合的な学習の所見」をそれぞれ別の枠で書かなければならなかったため、成績処理期間中は毎日、日付が変わるまで作業していたそうです。このように、学校ごとに対応が異なるのが現状です。

◆「地獄のような忙しさ」と形容される学期末

さらに、評価そのものも慎重に行われます。例えば、「C」を付けるのは結構勇気がいります。

公平かつ適切な評価をしなければなりませんが、小学校であれば学級担任はその子のがんばりをずっと間近で見ていますので、あと一歩足りなくても「努力点」をあげたくなってしまいます。

でも評価基準に照らし合わせ、公平な評価をしなければなりません。この過程で感じるプレッシャーやストレスも大きかったです。

加えて、成績表作成は学期末に行われるため、他の学期末業務と並行しなければなりません。

会計処理、卒業式など行事の準備、委員会やクラブ活動の引き継ぎなど、日々の業務が山積している中で、成績表作成に集中する時間を確保するのは容易ではありません。特に2・3月は、年度末に向けた様々な準備が重なり、「地獄のような忙しさ」と形容されることもあります。

◆成績表が原因で生まれるトラブル

時間がない中一生懸命成績表を作りますが、ここでもトラブルはつきまといます。

例えば、保護者が成績表の内容に納得いかない場合、クレームや問い合わせの対応に追われることになります。

「なぜこのような成績を付けたのか」「他の生徒と比較して不公平ではないか」といった具体的な質問が寄せられることがあります。このような質問にも答えられるように、評価の根拠を提示できる状態にしておかなければなりません。

成績表に誤りがあった場合も大変です。一文字の誤りでも、「誤記載」になってしまいます。

成績表に関するトラブルが発生する背景には、教育現場の労働環境が関係しているのは明らかです。教員は多忙な日々の中で成績表を作成しており、時間やリソースが十分に確保されていません。このような状況では、ミスが生じる可能性が高まりトラブルの原因となります。

◆成績表の“あり方”を工夫して成果が得られたケースも

近年、一部の学校では成績表の様式や項目を簡略化する取り組みが進められ、結果としてトラブルが減少するケースもあります。

例えば、所見を省略して評定だけを記載し、その代わりに保護者との面談で子どもの姿を丁寧に伝える時間を設けるなど、コミュニケーションの質を高める工夫も行われています。

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