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史上最速100店舗を達成した「から揚げの天才」わずか3年で店舗数が10分の1に…好調の“業界トップ”と分かれた明暗

日刊SPA! / 2025年1月3日 8時54分

 直近の業績を見ても、2025年3月期上半期(4月~9月)の売上は434億円(前期比7.6%増)、営業利益22億円(22.5%増)で、2025年3月期連結予想は、前期比7%増の売上881億円、営業利益41億円となっており、こちらも業績は伸びている。

 しかしながら、ワタミは市場の成長性と収益性、需要と競争の実態から、「唐揚げ市場での今後の伸びは期待できない」と判断したのではないかと思う。

◆ワタミの成長戦略の見直しか

 その証拠に、ワタミは居酒屋業態への危機感から、どんどんと他の業態に経営資源を集中させ、次なるコア事業として育成しようと躍起になっているように筆者には見える。

 コロナ禍においても居酒屋市場のさらなる低迷を予想し、焼肉店に素早く業態転換した。焼肉食べ放題「かみむら牧場」、和民和牛をリーズナブル価格で味わえる「焼肉の和民」の2ブランドを業態開発するなど、事業構造改革にトップダウンで取り組んでいたのだ。

 さらに2024年10月に発表されたのが、ファストフードの米国サブウェイ日本法人の買収だ。将来的には3000店舗のFC出店を目指し、マクドナルドに対抗する目標を掲げている。実はワタミは全国に有機農場を有しており、野菜を豊富に使用するサブウェイのサンドウィッチはグループ全体の価値向上にも貢献しそうだ。

◆レッドオーシャン化する唐揚げ市場

 レッドオーシャン化する唐揚げ市場の中では、から揚げの天才以外にも、各社がしのぎを削っている。

 業界1位を誇る「鶏笑」(株式会社NIS)は業績を向上させている。国産鶏の使用、低コストによる開業、簡単調理、業界No.1の店舗数、ロイヤリティなし、万全サポート、オーナー1人で運営可能をアピールポイントに加盟店を積極的に募集しており、今や約250店舗を展開する勢いだ。

 2023年2月にはSRSホールディングスが全発行済株式を取得し、子会社化した。SRSとは、和食さとを中核に展開する和食ファミレスチェーンの持株会社だ。NISは、唐揚げ専門店「鶏笑」を運営し、国内外に約200店舗(2024年11月時点)を展開しているが、このM&Aを通じてSRSは、唐揚げのテイクアウト事業に参入。大量仕入れによるスケールメリット、新商品の開発・既存事業とのコラボなどによるグループシナジーに期待しているようだ。

◆著しく店舗数を減らした「から好し」

 唐揚げ業界2位の「からやま」は、かつ丼チェーン「かつや」と同グループでアークランドサービス傘下のエバーアクション株式会社が運営しており、2022年12月末時点で122店舗出店している。かつやと同様に来店客に次回利用できる100円割引券を配布しており、看板定食はからやま定食(4個入、792円税込)だ。12月には年末大感謝祭を実施しており、筆者が訪れたときは営業開始からすでに客席が埋まっていた。

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