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妻にがんが見つかり、選んだのは“代理母出産”。55歳で父になった男性の思い「2000万円かかったけど、毎日が新鮮で楽しい」

日刊SPA! / 2025年1月4日 15時54分

妻にがんが見つかり、選んだのは“代理母出産”。55歳で父になった男性の思い「2000万円かかったけど、毎日が新鮮で楽しい」

1990年代からオカルト研究家として活躍し、著書やテレビ出演多数。不妊治療を経て、’22年に代理母出産で子供を授かったことを公表

高齢&晩婚化で50歳を過ぎて子宝を授かる男性が増えている。体は衰え、稼げる時間は限られ、親の介護リスクに頭を悩ませる……。そんな高齢パパの奮闘と葛藤を追った。
◆55歳のときに代理母出産でパパに

【高齢パパの家族構成】
山口敏太郎さん(58歳):オカルト研究家
妻(54歳):事務所経営者
息子(2歳):保育園児

代理母出産という日本では認められていない方法で、子どもをつくる人もいる。その一人が、55歳でパパになったオカルト研究家の山口敏太郎さんだ。

「5つ下のカミさんと結婚したのは約30年前。ずっと子どもが欲しくて、不妊治療はもとより、鍼や漢方など“効く”と聞いたものは全部試した。でも、できなくて、カミさんに負担ばかりかけてしまった。その影響か、6年前にがんが見つかったんです。幸い治療は成功したけど子宮と卵巣を摘出せざるを得なかった。

その後、養子も考えたけど、高齢で安定した会社員じゃないという理由で、申請もさせてもらえなかった。お前は子育てできない落伍者だと言われたような気持ちになりましたね……。そんなときに代理母出産で子どもを授かった友人のことを思い出したんです」

◆パパになったからこその悩み

代理母出産のエージェントの仲介のもと、ウクライナに飛んだのは’21年2月だった。

「ドナーから卵子提供してもらい、私の精子で受精卵をつくり、それを第三者の代理母の子宮に移植。その3か月後には妊娠の知らせが届き、翌年1月に念願の子どもができました。ウクライナに我が子を迎えに行ったカミさんと成田空港で会った瞬間に、新しい家族を迎えられた実感が湧いた。カミさんはすでに母親の顔になっていたから」

かかった費用は2000万円。晴れてパパになったが、育児は老体にこたえたとか。

「最初の3か月は3時間おきの授乳でロクに寝られず……ハイハイを始めたと思ったら、めちゃくちゃ速くて一瞬で見失ってしまうほどでした(笑)。体力的にツラいときもあるけど、息子のおかげで行動範囲や人付き合いも広がり、毎日が新鮮で楽しい。食の好みや運動神経のよさ、寝相まで私にそっくりなのも嬉しい」

◆代理母出産で不安なのは…

だが、不安なこともある。

「一つは、代理母出産を認識したときの反応。息子はイケメンだけど、差別されたりしないか?という心配がある。もう一つは、私が働き盛りをすぎたこと。収入は安定してるけど、息子が物心ついたときにバリバリ働く父親の背中を見せられない。どこかで行き詰まったとき、道を示せるのか?という不安もある」

少々特殊なかたちで子どもを授かっても、パパが抱える不安は皆一緒なのだ。

取材・文/週刊SPA!編集部

―[急増![高齢パパ]の現実]―

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