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「計算して作ったとしたら天才」…地元の漁師が“貝殻だらけの公園”を“20年間無休”で整備した、不思議な理由

日刊SPA! / 2025年1月4日 8時52分

 当初シュヴァルは変人扱いされていたが、山本さんもやはり「馬鹿げたことをしている」と悪口を言われたりもしたのだとか。ただ、着工から16年後には貝殻公園展望台竣工に事業費500万円が予算として計上されているので(南知多町が合併10周年で制作した記念誌)、いつしか山本さんの熱意と努力を多くの人が認め、町を上げて応援することになったのだろう。

 再建された神社の鳥居は、よく見れば左右の柱で貝殻の大きさを揃えている。扁額は2匹の白蛇をあしらっている。また魚の形をしたテーブルは貝殻で鱗や歯まで再現されているなどとても凝った作りなのも必見だ。

 屋外にあるコンクリートは経年でどんどん黒ずんでいく。一方、貝殻は炭酸カルシウムが主成分。石灰なので白い。貝殻によっては裏側が真珠層を構築し光沢のあるものもある。貝殻公園ではアワビやホタテなどさまざまな貝殻が埋め込まれているのだが、黒ずむ一方のコンクリートに対して、貝殻はいつまでも白い輝きを失わず対比が美しい。もしもそこまで計算して作ったとしたら天才だと思う。

 なお、ベンチの表面が細かい貝殻で座りにくかったり、テーブルの端が貝殻で鋭利となっていてケガしそうなのはご愛嬌。取材した2022年3月には、車10台分の無料駐車場ができていたのでバイクや車で行かれるならそちらがオススメ。そこから十数分歩くが、高低差はあまりない。もちろん港側から徒歩でアプローチすることも可能だ。

<取材・文・撮影/関口勇>

【関口勇】
『ワンダーJAPON』編集長(フリーランス・発行元はスタンダーズ)。廃墟、B級スポット、巨大構造物、赤線跡などフツーじゃない場所ばかり紹介。武蔵野美術大学非常勤講師。X(旧Twitter):@isamu_WJ

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